感想『家族なら、一緒に住んでも問題ないよね?2』


あらすじ

物語の立ち上がり的な部分のあらすじは1巻の感想を見て貰えると嬉しい。1巻で描かれた夏休みの後、季節は秋に……。秋といえば、文化祭やら運動会やらということで、本作もその辺を描いたエピソード。

文化祭の出し物の劇でシンデレラの王子様役をやることになった真、奇しくも姫芽も中学の学芸発表会でシンデレラをやることになり、2人で練習することになる。そんな中で近づいていく二人の関係。それと同時に町内の運動会に波月と一緒に二人三脚で参加することを宙子に命じられ、波月との関係性も深まっていく……。


感想

2巻で完結するのが本当に惜しい。あと3巻ぐらい使って4姉妹をそれぞれ1冊掘り下げてから完結して欲しかったという思いはあるものの、物語の締め方としては満足の行くものだった。


作中で描かれる盛り上がりとしては「姫芽と波月の加速する恋心、そして主人公の真が以下にそれに答えるか?」という部分だと思う。

全編を通して青臭いのが本当にいい。作中のキャラクターはそれぞれ記号的な属性というものは違うのだが、芯の部分は紛れもなく少年少女だ。どこまでも真っ直ぐで、だからこそ間違えることもあるし、真理に気づいた時はクサくてキザなセリフも戸惑いもなく口にすることが出来る。


カッコイイ主人公ってモノがライトノベルでは好かれると思う。真はいわゆるカッコイイ主人公って感じではない。だからとヒロインに流されるままの受け身主人公でも無い。人間らしさが滲み出ているところが本当に好きになれるキャラクターだった。


それに加えてヒロインも主人公も「恋」にどこまでも真摯だった。ラブコメって関係性を掘り下げることはあっても「恋」というものについて掘り下げることはないと思う。その辺が新鮮に感じた。


僕はこのぐらい前のめりで、真っ直ぐな青春ラブコメがもっとあってもいいと思う。

間違えなく名作でした。

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ラノベ読みによる本当に読んで欲しいラノベ紹介集 北山麦酒 @mon-panache

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