Ex12 佐藤家の一族 佐藤家の里

 第十一章を読み終えたあと、三年目の七月末日と八月一日のお話です。


×××


 白富東が千葉県大会を二年連続で優勝し、夏の甲子園への切符を手に入れたその夏。

 決勝の翌日の直史は、特に疲労がたまっているわけでもなかったが、短めの調整メニューを終えた。

 そして練習にかける時間が短ければ、他の事にかける時間が増えるということで。

 直史はその時間のほとんど全てを、恋人との逢瀬にかけていた。


 思う存分に欲望を満たした若い二人であるが、体力の関係上ぐったりとしている瑞希のうなじに顔を埋めながら、直史は囁くように言った。

「七月の末日と八月の一日なんだけど」

 と言えば、もう甲子園の出発直前である。。

「千葉近郊のうちの親戚が、別荘みたいなところに集まるんだけど、一緒に来ない?」

 急な話であり、激しい運動の後でうとうととしていた瑞希は、ふにゅうだとか言葉になっていない返事をする。

「普段は盆に合わせて集まるんだ。今年は俺が甲子園に行くのを予想してたから時期がずれたんだけど、将来嫁に来るかもしれない人間は招くことになってる」

 その言葉で瑞希は覚醒する。


 嫁。

 割と保守的な瑞希であるが、直史の表面的な保守性には、いつも驚かされる。

 付き合い始めて割と早い内に、彼は付き合うイコールほぼ結婚と考えていると分かった。

 さすがに気が早いのではないかと思ったこともある瑞希であるが、こうやって肌を合わせてみれば、どうにもしっくりときすぎてしまう。おそらくだが、体の相性がものすごくいい。スケベなことだが事実なので仕方ない。

 未来は不確定であるが、自分が彼と結婚するというのは、否定したくない可能性だと思うようになっていた。


 そもそも瑞希も、異性との関係については、非常に保守的な考えを持っている。初めてキスをした人と、人生の最後までを送りたいというロマンチストだ。

 もっともそれは彼女が保守的と思っていても、実は割と革新的なのである。

「その……お披露目みたいなもの?」

「う~ん、俺は佐藤家の惣領息子だから、一応結婚相手とかも、早いうちから紹介しておかないと、後から親戚が面倒な話を持って来るんだよな」

 惣領息子とかいつの時代の話ではあるが、実際に佐藤家には家系図があり、29代前までは普通に遡れる。

 それより前は遡れないのかと言えば、歴史上の人物に行き着いてしまうため、遡る必要がないのである。

 なお、真偽の判定は不明である。




 千葉佐藤家の先祖は、清和源氏の八幡太郎義家であると伝えられていて、一応は戦国時代はおろか、最終的には皇室にまで遡れてしまう。

 その血統は眉唾であるが、戦前は広大な山林と田畑を所有していたが、ご他聞に洩れずGHQの政策により、その財産が分割されることとなった。

 かつてはその山林が財産として通用していたが、林業が衰退するのを見た先祖がそれをほぼ売却。

 今では普通の家と同じように、家財はそれぞれの家が持っている。本家は祖父母の住む古い家で間違いない。

 あの家は既に立てられてから100年は経過しているが、実は元は川の上流にあった、さらに古い家を分解して持ってきた建材で出来ている。

 表面的なリフォームはされているが、200年ほどの歴史はある家だ。


 そして幾つか例外的に、一族の人間に管理を任せてはいるが、本家の長男が実質的な所有者である土地がある。

 上ノ藤という名前の集落だ。もっとも現在は一族の中でも定年を迎えた者の中の変わり者が、入れ替わり管理している。

 夏と、年によっては冬にそこに集まって過ごすのが、佐藤家の若衆の風習となっている。

 若衆と言っても、成人していない子供を持っている夫婦は若衆のうちであるので、それなりに集まる人は多い。

「もっとも季節外れだから、タケと妹たちに、あとはもう二家族が来るぐらいかな。爺ちゃんが車出してくれるから、足の心配はないけど」

「その、そこへ行って何をするの?」

「あ~、別に何をするってわけじゃないけど、夏場は川で涼んでいくな。したいならバーベキューでもしていいけど。あ、だから一応、水着とか持って行った方がいいかもしれない」

「泊まりになるの?」

「……部屋は別にしてもいいんだけど」


 瑞希は自分が、弁護士という堅い家庭で育ったと思うが、直史の家のそれは、伝統的なめんどくさい家に近い。

 瑞希の父親の実家は東京であり、少し遡ると埼玉の農家がご先祖様であるそうだが、完全に何度も分家していて、田舎に遊びに行くという習慣はない。

 一人娘ではあるが家を継ぐための婿養子とかそういう話はなく、一代で興した事務所も、別に娘や婿に継がせようというつもりはなかった。

 だから娘が弁護士を目指したりするのは、嬉しくもあるが戸惑いもあった。

 その娘が恋人を見つけてくれば、いかにも古臭い田舎の風習を身につけた、それでいて物腰や価値観は現代的な少年であったりする。


 一人娘を持つ父親の目に適う結婚相手はいない。

 瑞希の父は娘の恋人に対し、ごく普通の敵愾心を持っている。

 もっとも妻が気に入っているので、どうしようもないかなと諦めかけてもいる。


 そんな瑞希に直史の提案は、かなり魅力的であった。

 瑞希は両親が共に都会の出であり、実家の田舎に遊びに行くという経験がない。

 夏休みが終わり、田舎に行って来たという友人たちの話を、なんとなく羨ましく思うことはあった。

 そしてこれは同時に、彼氏の親戚へのお披露目でもある。

 何事も計画的な瑞希は、週末の計画について、頭の中で行動を組み立てていた。




 佐藤家は基本的に男の方が女より立場は上に見えるが、実際は祖母が祖父を掌の上で転がしているように、女性もしっかり強い家系である。

 特に直史の双子の妹は、その異常性を一族の全員に知られている。

 しかしそれでも、家の決まりごとは守らなければいけない。


 その中の一つが、未婚の女の恋人は同行不可というものがある。

 まあそんなものがなくても、大介を誘うのは無理だったろうが、代わりに来ている部外者がいる。

「イリヤ?」

 水色のワンピースに白いストローハットという完璧なリゾートスタイルの少女。

 瑞希との接触の機会は多いが、心の距離感が近すぎず遠すぎずと、少し特別な存在だ。

 日本の田舎に行ってみたいということで、双子が脅して武史の彼女枠で来たそうな。


 武史はモテる。

 将来の義理の弟になるのかと、少しずつ意識を慣らしているのだが、武史の女性関係に関しては、瑞希は少し注意が必要だと感じている。

 別に女癖が悪いというわけではない。ただ、自分がモテていることを認識していないのが問題なのだ。


 イリヤは武史に好意を抱いている。それは別に恋愛的なものではなく、好奇心に近いものだ。

 あとは同級生とかファンの子とか、明らかに武史に好意を抱いている者は多い。

 武史の場合は、自分からぐいぐい行かないのと、なぜか好意を抱いている少女が皆、あまり積極的ではないのである。

 もちろん普通の意味でのファンの女性にはモテているが、そういうのは現実的な恋愛じゃないだろうと武史も思っているらしい。


 将来と言うのが、直史と付き合いだしてから、瑞希の中では明確になったと思う。

 直史自身は全くそのようなことはないのだが、佐藤家は家父長権が強い。

 もっとも実際は嫁が、旦那を上手く掌で転がしている感じはしている。


 武史にしても、あの双子にしても、平凡な瑞希からすると、世界に影響を与えるほどの凄い才能だと思う。

 それにイリヤ。彼女は既に、世界を自分の力で変えていくほどの影響力を持っている。

 そんな特別な人々の中に、直史がいる。

 台風の目のように、ほとんど中心に。けれど瑞希の目からは、直史は特別だけれど、特別過ぎる存在には思えない。

 直史たちが、家族や親戚からはどう思われているのか。

 瑞希はそれを知りたいと思っている。




 山間の細いアスファルトから、石畳を少し分け入ったら、またアスファルトの地面がある。

 だが整備はもうされておらず、あちこちから植物の芽が出ている。

 山を一つ越えた、盆地に沿った集落が、佐藤家の里、上ノ藤である。

 戸数は七軒であり、常時人が住んでいるのは一軒だけ。

 夏と冬、そして暇があったら春とGWにも利用される、別荘と言うには不便で何もない場所である。


 いや、瑞希にとってはそうでなかった。

「川がある」

「一応そのままでも飲めるけど、念のため飲まない方がいい」

「飲める川なの!?」

 同じ千葉でも市街地で育った瑞希にはカルチャーギャップである。


 この集落のインフラは、はっきり言って不便である。

 電気と電話線はつながっているが、湯を沸かすにはガスボンベを持ってきてもらわなくてはいけない。よって風呂も一軒にしかない。

 他には薪を使って焚く風呂もあるが、さすがにそれは今どき使わないのだが――。

「温泉みたい!」

 四方を囲っただけの、天井のない風呂場。

 瑞希にはクリティカルヒットだったらしい。

 そして直史も、彼女のために風呂を焚く気になった。


 それはそれとして、目の前の川は、実はあまり川遊びには適していない。

 山の中からの湧き水が源泉であるために、この真夏であっても冷たすぎるのである。

 一応水着を下に着ていた瑞希であったが、足をつけるぐらいが丁度いい。

「魚もいないの?」

「一応いるけど、見えないかな?」

 目の悪い瑞希が目を細めて、魚なのかどうか分からないほどの小魚を発見する。




 河原の散策をしていたが、真夏なのに川の水温のおかげで涼しい。

「で、バーベキューというわけだ。こっちがうちの父親の従兄弟、又叔父さんたち」

 直史にとっては又従兄弟の兄弟と、又従姉妹の姉妹が、両親に連れられて一組ずつ参加している。

「そんで炭を起こすのが男の仕事」

 昔は家の一つが炭焼き小屋であったらしいが、さすがに今はアウトキャンプ用品店から買ってくる。


 ツインズが見事な包丁捌きを見せて、分厚い牛肉を切っていく。

「昔は火口箱使って爺ちゃんが火打石で火を点けてたんだけど、さすがに俺は無理なんで素直にライターと木の枝とか使う」

「バーベキューはしたことがあるけど、あんまり上手くいかなかったの」

 瑞希も父の友人の集まりで、こういったアウトドアなことを全くしなかったわけではない。

 だが直史も武史も、思ったよりもアウトドアな技術を持っている。

 ちなみに母方の人間である淳は全く役に立ってない。荷物運びをするだけである。


 赤い色の炭の上に金網を敷いて、そこへ肉を置く。やがて脂が下に落ちて、また赤く火が出る。

 それに対して直史は、川の水をかける。

「火が消えちゃわないの?」

「火は消えるけど、炭の中の火は大丈夫なんだ。これで遠赤外線になって、肉を焦がさずに焼けるわけだ」

 そしてレアな感じの肉が焼けて、またツインズが切り分ける。

「じゃあ直史の嫁さん、一口食ってみ」

 オススメされた瑞希が食べたそれは――。

「なんだかすごく、お肉!って感じがします。これが田舎のバーベキュー……」

 そう言われるが、そこは遠い目をする直史たちである。

「いや、これは割りと最近。俺らが小学校の頃は、山一つ向こうの川に行って、小指サイズの川魚を網でばっさりと捕ってたんだ」

「道がなくなっちゃったから、出来なくなったんだよね」

 田舎だって時代の流れとは無縁ではないのだ。昔はあちらの山も佐藤家のものだったのだが。今でも実質管理している者はいないため、山菜などは採れる。


 食事を終えると川沿いを歩き、山の中に入ったりもする。

「明日はこの山を行こうか。爺ちゃんたちの子供の頃までは、山の管理も出来ていて松茸が嫌になるほど採れたらしいけど」

「松茸!?」

「松の木があるだろ? あの下生えをしっかり掃除していれば、いくらでも生えてきてたらしいよ。今はもう人の手が足りないけど」

 佐藤家では松茸信仰は全くない。昔はこの山では椎茸も栽培していたらしいが、直史達の生まれる前である。

「爺ちゃんの代で手放したけど、向こうの山は桑畑で、そのさらに前の時代には蚕を飼ってたって聞く」

「なんだかジブリの映画みたいね」

 イリヤが珍しく興奮している。

 確かに千葉と言っても学校から駅辺りは、普通に市街地であるのだ。

 しかし直史の家からは自動車で一時間も走れば、こういった環境に巡りあえるわけである。




 夕食はガスコンロで普通に料理を行う。

 ツインズの手際が驚くほどいいので、他の女子陣は手伝いが多い。

 これも父の子供の頃までは、炭を使った竃を使っていたのだという。

「直史君のおうちもいい感じだけど、ここは本当に日本の原風景っていう感じ」

 瑞希が少し子供っぽい感じになっているのは、かなり珍しいことである。

 食の細いイリヤも、珍しくたくさん食べている。空気が美味いのだろうか。


 そして夜。

 薪を使って炊かれる風呂釜に入って、瑞希はご機嫌であった。

 当初は彼氏の実家伺いという感じであったが、実際はキャンプというか、遠足のような感じである。

「お婆ちゃんになったら、こういうとこに住むのもいいかなあ」

「残念ながら、こういうところに住めるのは若くて体力があるうちだけだな。それも年に二回ぐらいが丁度いいんだ」

 薪を使って湯の温度を調整しながら直史が言う。


 瑞希にとって直史は、文化系の人間に最初は見えたし、野球で活躍する姿を見ても、スマートな印象が抜けない。

 しかしここでの直史のスタイルは、自然の中での生活力にあふれて見える。

 まだ出会ってから二年と少し。本当にお互い、まだまだ知らないことが色々あるのではないか。

 と言っても瑞希の最大のコンプレックスは、もう全て知られてしまった後であるが。


 この後二戦ほどやらかして、二人は温いお湯で汗を流した。

 虫除けの線香の匂いが、まさに夏という感じがする。

「え、これ何?」

「蚊帳だけど知らないかな。蚊とかの虫にさされないための、網目の小さなやつを、部屋の四隅に引っ掛けて、蚊が入ってこないようにするんだけど」

 その中の布団に、並んで寝転がる。

 川の冷気がここまで届くのか、市街地を思えば信じられないほど夜は涼しい。


 来て良かった、と瑞希は思った。

 純粋にここには、今まで自分の知らなかった空気がある。

 並んで手をつなぎながら眠る。そう思っていたとき、直史が口を開いた。

「瑞希、結婚しよう」

 ここまではっきり、直史が言うのは初めてだった。

「俺は出来るだけ努力するよ。若いうちは市内で普通に暮らせばいいし、実家の方だって案外不便じゃない。それでお互いに健康に注意し合って、長生きしよう」

 瑞希は、体が弱いというほどではないが、平均よりは少し病弱な部分はある。

 なんとなくではあるが、平均寿命よりは少し早く死ぬのかな、と考えて眠れなかったのは小学校の頃だろうか。


 直史と生きていく。

 決断するにはまだ早いとは、周囲の人間は言う。だけど、おそらくあの初めて会った日から、瑞希も感じていたのだ。

 この人と一緒に生きていくのは、なんだか居心地が良さそうだと。

 痺れるようなドキドキと同時に、絶対的な安心感を。

「お嫁さんになるのか……。子供は何人ぐらいほしい?」

「出来ればたくさんほしいけど、無理にならない程度がいいかな」

 二次性徴を迎える頃から、瑞希は体調を崩すことがあった。主に生理周期でだ。

 産めないわけではないが、あまりたくさんの子供は産まない方がいいと言われた。これが彼女のコンプレックスの一つだ。

 女としての一つの機能が未熟で、人間としての能力を否定された気がした。


 けれども直史は、それは別にいいと言った。

 家督うんぬんを言うなら、どこか親戚筋から養子を貰ってもいいのだし。

 直史は体の弱い瑞希を、そのまま受け入れる。

「とりあえず、もう一回子作りしてみる?」

 珍しくからかうように言った瑞希であるが、直史はすぐに本気にした。

「薬飲んでるんだろ?」

「だから大丈夫なんだけどね」

 そして二人はしっぽりと仲良くし、朝方に冷めた風呂釜で水浴びをすることとなった。




 翌日は朝食の後、山に入って山菜や茸を取ったりした。

 又叔父が言うには、佐藤家が管理していた頃は、もっとたくさんの茸などが生えていたらしい。

 人の手の入らない自然というのは、人が理想とするような森や山にはならない。

 人は山や森と、共に生きていくのだ。お互いに影響しあって。


 竹林ではお土産の筍を掘り、売っているものとは全く違うシメジを採ったりもした。

「あそこは、石垣?」

「昔はあそこの上で段々畑で野菜を作ってたんだけど、今はもうそこまで手が回らないから」

 これも父の子供の頃までは、色々と農作業もしていたらしい。

 機械の入らないこの小さな場所では、今はもうコスパが悪いということだ。


 そして昼には帰りの準備だ。昼食は途中にある店で食べる予定だ。

 なんでも山菜を使った蕎麦が美味しい、隠れた名店であるそうな。

 元佐藤家のものだった山は、そこが今は管理しているらしい。


 後方に消えていく山里を見ながら、瑞希は呟いた。

「出来るだけ長生きして、ああいうところで過ごしたいな」

「不便だけどね」

「瑞希ちゃんには無理だよ」

 ツインズは容赦がない。

「まあ長生きできるかどうかよね。私、体が弱いというわけじゃないんだけど、病気しやすいみたいだし」

 小学生の頃は、かなり風邪も引きやすかった。


 一つ前の座席のツインズは、顔を見合わせる。

「瑞希ちゃんとお兄ちゃんはかなり長生きするよ」

「少なくとも平均寿命よりはずっと」

「そうかな?」

 瑞希は懐疑的であるが、この二人は分かるのだ。

 見たくもない未来を見てしまう。それを曲げられるほどの強い力を持っているのが、大介でありイリヤなのだ。


 今回のお泊りの参加者の中で、おそらく一番早く死ぬのがイリヤだ。

 イリヤは大人びていて、それでいて化粧をすると年齢不詳になるので、はっきりとは言えない。

 だが間違いなく早く死ぬ。その死の気配が、イリヤを怖いと感じる原因でもあった。

 けれどその未来が分からなくなるのは、武史といる時だ。

 双子にとっては平凡な兄の武史だが、イリヤに対する影響だけは、直史よりも双子よりもずっと強いと感じる。

 オカルトと言えばオカルトなのだろうが、二人のこの感覚は外れたことがない。そしてようやく外れそうなのが、今なのだ。


「とりあえず、来年だね」

 来年は、順調であれば直史と瑞希は大学生になっているし、今度はちゃんとしたお盆の季節に集まれるだろう。

 順調に行けば武史は甲子園で、仲間はずれになるわけであるが。

 お盆期間中はサービス業以外はお休みなことを考えると、高校球児はサービス業の人間と言えるのかもしれない。


 また、来年も。

 そのイメージがはっきりと脳裏に浮かび、瑞希はすがすがしい笑みを浮かべた。

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