第8話

「妹?」

「うん。いつも上から、君の事を見守ってたよ」

「そうなんだ・・・」


ご先祖様が見守ると言うのは聞いたことがあるが・・・



「君のご先祖様は、全て転生を希望して、生まれ変わってる。

だからもう、君の世界でいうあの世にはいないよ」

ゼルは、淡々と語る。


なら、お盆は矛盾しているな・・・

繰り返すが・・・


「前に、君が交通事故にあったよね?」

「ああ、あの時ね」


あの時の、男性は元気だろうか?

非常識な、女子高生はどうでもいい。


「あれは、妹さんが助けてくれたんだよ」

「そうなの?」

「うん。『お兄ちゃんは、私が守る』って・・・」


不思議な事もある。


「ところで、ゼル」

「何?」

「あの世での、その・・・妹はいくつなんだ?」

「18歳だよ。来た時から・・・」

「何故だ?」

「18歳は、人間が最も美しく輝く歳。だから、あの世の住人はみんな18歳なんだ」


話がそれたな・・・


「あっ、話を戻すね」

「ああ」

ゼルは、間をおいて話し出した。


「その妹が、君の娘として転生したいとは、言ったよね」

「ああ。でも、俺が来る必要ないと思うが・・・」

「それが、大ありなんだ」

「なぜだ?」


ゼルの、言う事は、理解しがたい。

まあ、慣れているが・・・


「君は、自分の子供には幸せになって欲しいよね?」

「ああ。もちろん。

「で、この10年後のこの時代に君を連れて来たのは・・・」

「ああ」


《この10年後の時代が、君の子供が幸せになれる環境かどうかを、判断してもらうため》

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