第7話

てっぺんというと、展望台だ。

かなり高い。


窓があるからいいが、俺は軽度ではあるが、高所恐怖症。

もし、窓が無ければ・・・


やめておこう。

怖くなる。


「ところで、ゼル。話の続きだが・・・」

ゼルは、きょとんとしている。

もしかして、忘れてた?


「うん。わかった。詳しく話すね」

「了解」


ゼルは、話だした。



「君は、自分の肉親で他界した人はいないといったけど、忘れていない?」

「誰を?」

「生まれてくるはずだった、君の兄弟・・・いや、妹だね」


思い出した。

俺には、5歳の頃に妹が生まれるはずだった。


だが、生んでしまえば母の命にかかわる。

なので、やむなく・・・


「その水子の霊は、私たちの世界にいるんだけど・・・」

「ああ」

「その子が、転生を希望したんだ」

「転生?」

「うん。君の娘として生まれる事をね」


わけがわからなかった。


「ここへ来る時の映像の中に未来の君がいたでしょ?」

「ああ」

「あの中に子供の姿があったんだけど・・・」


そういえば、いたような気もする。


「その子が、君の娘として生まれてくる、君の妹になるはずだった子」

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