第2話

「私の手を取って」

ゼルは、手を差し出す。


その手を握る。


「冷たいね」

「手の冷たい人は、心が温かい」

「お前は、人ではないだろ?」

「気にしないの。それより・・・」

「それより?」


ゼルは、いたずらな笑みを浮かべる。


「こんな可愛い女の子に手を握られてときめかないの?」

「もう、そんな歳じゃない」

「男の子は、いつまでも思春期でいなさい」

「誰が決めた?」

「私が今」


親父も言ってた。


「男は万年思春期だ」と・・・


父よ、改めてあなたを尊敬する。


「脈が早いね。やはり緊張してるんだ」

「ああ。ドキドキしてる」

「やはり、私が可愛いから?」


そういう事にしておこう。

面倒くさい。


「で、これからどうするんだ?」

「私と一緒に来てもらうわ」

「どこに?」


『10年先の未来へ』


俺たちの体は、光につつまれた。

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