第7話初デート? 後編
ゲーセンを出た後は二人でどこに行くか相談した。
「白雪はどこか行きたいところはあるか?」
「わ....わたしはどこでもいいよ....」
そうするとどうしようか?とりあえず昼ご飯かな?
俺たちはショッピングモールのなかを見て回ることにした。
「白雪は何か食べたいものはあるのか?」
「フレンチ......やっぱいい......」
あ、これ、フレンチトーストだこれ。それじゃあ、カフェっぽい店にするか。
こうして、二人でカフェに入って早速注文した。
「白雪はやっぱりフレンチトーストか」
「お....おいしいから......」
まあ、ここのフレンチトーストは量はそんなに多くないから少し物足りなそうにみえるけどな俺は。
席に座ってリラックスしていると、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「パパの誕生日プレゼント何がいいかな‼」
「なんでもいいんじゃない~」
この声は吉田と、赤井じゃないか!!やばい、こんなところみられたら、二人にあらぬ誤解を持たれるかもしれない‼
「白雪ここを離れるぞ」
「?....」
白雪も俺の見ている方向をみて気づいたようだ。俺たちは、二人にばれないようにこっそり会計をして店を出た。
「危ないところだったな」
「うん......」
さあて、この後はどうするかな。できればあんまり二人にあわなそうな場所がいいな。そういえば、二人は赤井のお父さんのプレゼント選びしてるんだよな。
「白雪、映画館はどうだ」
「?べ....べつにいいけど....」
こうして、俺たちは映画館に向かうことにした。
*
映画館についた俺たちはどの映画にするか話していた。
「どれがいいかな....」
「あ、これ....」
白雪が指をさしたのは、
「ひとりっぼっちの少女?....」
「わ....わたし、これがいい」
まあ、俺は何でもよかったからこの映画にすることにした。
映画館から出た俺たちは夕日が輝きがきれいなバス停の前にいた。
「あの映画最後はあんな結末になるのか....」
「うん」
終わり方は完ぺきなハッピーエンドじゃなかったけど俺は満足する最後だと思った。
「ね....ねえ」
「どうした?」
白雪は少しの間下を向いてうつむいていたが
「わ....わたしも、あの女の子のように前に進んだ方がいいのかな?....」
俺は少し、いやかなり迷った。白雪が真剣なまなざしでこっちをみていたからだ。
「まあ、進もうとする意志は大切だと思うな。俺は」
そこに、バスの音が響いてきた。そのバスに白雪は乗り込むと
「わかった。ゆ....ゆうすけ‼今日はありがと」
そういって白雪を載せたバスは走り去っていった。というか初めて名前を呼んでくれた気がしたな。そうか、あいつ俺のことは呼び捨てなのか。意外だな~。
でも、この時の俺は気づいてなかった。白雪が自分を変えようとしていたことに。
それから、一週間白雪とは会っていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます