第6話初デート? 前編


 さあて、今日は約束の日曜日か。まあ、デート?なんだから、少しくらいは

オシャレしてかないとなあ。まあ、デートかもと思ってるのは俺だけかもしれ

ないけど。





 町につくと約束場所の噴水広場の前についた。この辺くらいまでくれば、図書館あたりとは違ってゲーセンもあればカラオケもあり大きなショッピングモールや

映画館なんかもある。まあ、都会にいけばそんなこと当たり前なんだろうけどな。

ここ、田舎だからな。


 約束の時間ちょうど五分遅れで白雪がやってきた。


「お....おまたせ......」

「おう」


白雪は、チェックのスカートにこの前も見たパーカーのフードを目深にかぶって

完全に髪を隠している。


「せっかくなら、フードも脱げばいいのに.....」

「そ....それはダメ....」


そういうことらしい。仕方がないので


「じゃあ、さっそくいこうか」

「うん....」


そういって、俺たちは歩きだした。


 最初に向かったのは、ゲーセン。店に入ると店のBGMが頭に響くぐらいもの

すごい音量で流れている。



「白雪はあんまりこういうとこ来ないのか?」

「うん....あんまり出かけたこともない....」


少しびくびくしている白雪をつれて


「最初はどれにしようか?」


そう悩んでいると、白雪が足を止めてあるゲーム台をみつめていた。


「クレーンゲーム?」

「いや....あの....その......」


景品の中は、クマのぬいぐるみなのだが、明らかに顔が不機嫌だ。

それはもう、不機嫌としか言い表せないような不機嫌さだ。

まあ、人の好みは自由だけれど....。


「もしかして、あれがほしいのか?」

「う....うん」


俺はこう見えてクレーンゲームは得意だ。流れるような手さばきで、みごとに

ぬいぐるみをゲットし、


「ほら、とれたぞ」

「あ....ありがと....!」


ぬいぐるみを持った白雪は不機嫌なクマとは対称的に、とてもかわいらしかった。

 

 その後は、シューティングゲームをしたり、太鼓の●人をしたりした。ゲームの

結果に一喜一憂する白雪をみるのは初めてで少しドキドキした。



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