タイムマシン

「いよいよだ。では、最後の部品を取り付けるぞ」

「これでついに完成するんですね」


大喜びしているのは、R博士とその助手だった。

この日、R博士は、人類の夢であるタイムマシンを見事完成させたのだ。

二人は、これまでの苦労を振り返りながらこの快挙を祝福していたが、しばらくするとR博士はこう提案した。


「さっそくだが、タイムマシンを起動してみないか。試運転がてら、五年先の未来へ行くのはどうだろう」

「ぜひ、私も連れて行って下さい」

「君はこの研究に大いに貢献してくれたんだ。もちろん、一緒について来てくれ」

「ありがとうございます」

「ただし、知っての通り、このタイムマシンは過去へは戻れないが、後悔はしないか」

「はい、大丈夫です」

「よし。では、出発しよう」


二人はタイムマシンに乗り込んだ。

R博士は、行き先を五年後に設定して、タイムマシンを起動した。

バチバチッという轟音をあげながら、タイムマシンは二人を未来へと運んだ。


「着いたぞ。外へ出てみよう」


R博士がタイムマシンの外に出ると、助手もそれに続いた。

そして、二人は五年後の世界を観察し始めたが、すぐに異変に気付いた。

てっぺんの見えない数多の超高層ビルや空飛ぶ乗り物を始めとする、たった五年経っただけとは思えないほどの高度な技術の進歩が見て取れた。

さらに、そこには人間の姿はなく、見慣れない生命体たちが生活をしていた。


「なんだ、この世界は。タイムトラベルに失敗して、時間だけではなく空間まで超えてしまったのだろうか」

「なるほど。その結果、我々は地球からこの星へと飛んでしまい、あいつらはこの星に住む宇宙人というわけですね」

「うーん。しかし、私の理論に間違いはなかったはずだ。となると、ここは五年の間にあの宇宙人たちに侵略された地球ということになってしまう」

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