第4話
自転車をカラカラと
「それで
「……どうしてそんなことを君に言わなくちゃいけないんだよ」
「どうせとんでもないプランを考えていたんでしょう? ああ、いやらしい」
「待て待て。君の考えを断固否定する。
「なら
「なに、映画のチケットでも見せればいいわけ?」
しかし、使い道はなくなってしまったわけだが。
「ちょっと良いですか?」
「これは、これは。最近話題の問題作じゃないですか」
「問題作かはどうかとして、タイムリーなやつをチョイスしてみたよ」
「いいですね。
なんでそんな上から目線なの? そう思っていた
「あ、こら返せ」
「おやおや、
「
「ふむふむ。ふむふむふむ。チケットさんは語っています。なんとも悲しい持ち主だったみたいですね。フラれた相手と休日を過ごすために買ったみたいですよ」
ふわりふわりと
「おお
「ちょ、こら返せよ」
そんな
「そうだ、
「無念を晴らす?」
「そうです。こうなったら善は急げです。
「ちょ、ちょっと待って。いきなりすぎだろ」
「どうしてです? どうせなんの予定もないんでしょう?」
「それは、そうだけど」
「なら決まりです」
「
「え?」
「いいえ、なんでもありません」
それはつまり、
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「待ちません」
「さっきのことってさ。もしかして
「さあ。なんのことだか分かりません」
「もしかして
「知りません」
「帰り道もわざわざ遠回りして
「意味不明です」
「ちょっと待ってって」
「待ちませんったら!」
まるで追いかけっこをしているように、
小気味良いステップを
「それじゃあまた
それだけが聞こえた。
「
最悪の状況を彼女に見られてしまった 白玉いつき @torotorokou
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