第7話告白

僕はきっとそんな彼女に利用されているだけなのかもしれない。ふとそんな気がした。僕は、彼女にとっての唯一無二の存在になりたい。だから僕は告白をした。俺の彼女にしたいと。だが返信はこない。きっとどうでもいいのだろう。僕もきっとどうでもいい気がしていた。結局求めても愛されない。望んでも手に入らない。ならばそんな関係はいらない。僕は常に変化し成長したかった。社長になりたい。世界を変えたい。どんどん自分を締め付けていたのかもしれない。今のままじゃダメだとずっとそんなふうに思って、先走ってしまう。自分でもわからなくなってしまう。だから焦ってしまう。余裕がない。きっと常に走ってないと、不安で仕方がないんだ。止まったと同時に流れる汗のような涙が抑えられなくなるからだ。

でもこれでよかったと思う。結局彼女と僕とでは、価値観がまるで異なる。どうせ上手くいく保証などない。利用されて終わる関係ならば、僕はそんな関係望まない。気持ち悪くなってしょうがない。そんなぬるま湯に浸かってしまうならば、いっそのこと消えてしまいたい。僕は1人だ。きっとそれは変わらない。その残酷なまでの真実から目を逸らして、関係を築こうとするから罰が当たる。僕は1人だ。誰とも僕はつながりたくはない。もう求めるのはやめる。だからきっともう二度と僕に罰はこない。


自分は自分で認めるしかないのだ。どんなに孤独でも、どんなに辛くても、きっと世界は非常なまでに残酷なのだから。


なにかを求めてしまうと同時に、なにかを失うのならば僕はなにも求めたくはない。


鏡の自分も所詮は偽物だ。なにも映してはくれない。


僕の心はきっと満たされないのだ。

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君との出会いは唐突に 黒豆 @96001202

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