第4話再認識

彼女から連絡がこなくなってから数日間、僕は屍のような精神になっていた。自分でも驚きだ。たぶんとかじゃなくて、僕は彼女のことが好きなのだと改めて認識した。ここでもう一度連絡をいれてみることにした。すると数時間後に連絡がきた。きっと彼女は返信をすぐしなきゃいけないだとか、そういう思考ではないらしい。猫のように気まぐれで自由に生きている。僕とは真反対のような性格なのだと思った。そのせいかどこか気になってしまう。どんどんのめり込んでしまう自分がいる。

ただやはり僕は、彼女と価値観が合わないのだと思う。僕はすぐ返信はするタイプだし、時間にもうるさい。眼鏡系の真面目君だ。一方彼女はギャルだ。ハッキリ言って僕が一番苦手なタイプなはずなのだ。しかし彼女特有の変人ぽさと僕の変人ぽさはある意味で共通している気がする。そのせいなのか彼女を魅力的に感じてしまう。絶対的に合わないはずなのに、不思議と合う気がしてしまう自分がいる。

だけれど僕は彼女を好きになればなるほど、傷つくのだと思う。自分が如何にプライドが高くて、矮小な存在なのだと改めて認識せざる得ないからだ。きっと僕は傷つきたくないだけなのかもしれない。自分が可愛くてしょうがないのだ。だから恐れているだ自分が自分でなくなることが怖くて怖くてしょうがないのだ。だから僕は彼女を好きになっても、愛することだけはしないと心に誓った。たとえそれがどんなに酷い結末を迎えようとも、後悔はしない。彼女は彼女で、僕は僕だ。世界が同じでも決して交わることはない。それは僕が抵抗できる唯一の手段なのだ。

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