第2話恋
彼女と連絡先を交換して、僕はまめに連絡した。現実では口が達者ではない。しかし文章を送るとなると話は別だ。打つ時に内容を考える時間があるため、躊躇なく送ることができる。要は僕は完璧主義なのだ。口での発言はいつも自信がない。しかし文章となると何回でも添削やシュミレーションしてから送ることができるため、僕は文章の方が好きなのだ。そう思うと今の時代に生まれて良かったなと感じる。
彼女との連絡においても、常にどういった返答をし、どういった流れで会話をつなげるか等考えてしまう。要はめんどくさい奴なのかもしれない。そんな僕の返信とは裏腹に彼女の返信は、「そうだよ!」等といった至極単純な返信だった。しかしなぜかそんな彼女の単純さが、僕のこの複雑な思考を上手く捉えていた。裏読みをする僕だからこそ、彼女に引かれ彼女のその魅力に取り憑かれたのかもしれない。
自分でも上手く言えないが、彼女はとにかく不思議なのだと感じた。返信1つとっても、何1つ僕を退屈させてはくれない。まるで太陽のような存在だと思った。僕は常にその太陽に焼かれ身を滅ぼさないために、一定の距離を保つ必要があった。僕は彼女の隣にいることはできないが、傍にいることはできるのかもしれないふとそんなことを思った。
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