第38話 リサの腕
雄一とルイが管制室に入ると4人が珈琲を飲みながら待っていた。
「どうした、皆揃って何か問題でもあったのかね」
「兄さん、2,3日会っていなかったでしょう、だからですよ、夕食は皆で食べようと決めたのは兄さんでしょう」
「悪い、悪い、集中していた事があったのでね」
「ルイも一緒だったの」
「はい、ジェニー、どうも私と雄一さんの仕事への取り組み方が同じ様です、私は雄一さんの歯止めには不向きです」
「大丈夫よ、その点は此処にいる皆同じだから集中したら途中で止める人なんていないわよ」
「ところで、ケン、リサにアラートでも掛けてあったのかい」
「ええ、兄さん、二人が管制室に戻る様なら知らせて・・・と頼んであったんだ」
「で、ヘンリーと佐紀は」
「私も父さんに暫く会っていなかったから頼んでいたの」
「・・・」
「はは~ヘンリーはお兄さんとルイでは無く佐紀にアラートを掛けたのね、それって立派なストーカーよ」
「ねーさん、ストーカーだなんて・・・確かにリサに佐紀が管制室に入ったら知らせて・・・と頼んであったけど・・・」
「佐紀は平気なの」
とジェニーが冗談をいった。
「はい、平気です、だって私もリサにヘンリーが管制室に入ったら知らせてとお願いしましたので」
「おやおや、余計なお世話だったわね」
「ところで、皆に知らせがある、ルイ説明を」
「はい、雄一さん、おほん・・・リサが料理と洗濯が出来る様になりました」
「えぇ~リサ、本当?」
「はい、本当です、ジェニー、但し今はまだ腕が一本しかありませんので料理にも限界があります、後一時間でもう一本のが完成しますので材料がある物は全て可能に成ります」
「素晴らしい、リサ、梅干し茶漬け・・・頼む」
「はい、ケン」
「待った、お茶漬けはお酒の後の締めたろう、どうだろう、今晩は皆でお酒を飲もう」
「賛成」
「同じく」
「賛成」
「私もいいの」
佐紀が聞いた。
「軽いカクテルなら・・・サワーなら良いよ」
「試してみる」
「何だかその言い方だといろいろと飲んだ事があるみたいね」
「ビールだけ・・・ノンアルコールのよ、ルイ」
「じゃ、まずは全員のビール、佐紀ちゃんだけはノンアルコールでね、リサ」
「皆さん、宜しいですか」
皆の了承が得られリサに制御せれたテーブル・ロボットがグラスと瓶ビールを運んで来た。
グラスは六個、ビールは二種類で五本と一本だった、一本はノンアルコールで勿論佐紀の分だった。
皆がグラスにビールを注ぎヘンリーが音頭を取り皆が唱和した。
「リサの新しい腕に、カンパイ」
「カンパイ」
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