第34話 佐紀とリサの会話-#1 リサ

「リサ、この宇宙船とリサの始めの頃の事を聞きたいの、教えて」

「ちょっと、待って下さい・・・解りました、何から始めますか」

「リサ、今、ケンかジェニーに話して良いか確認したの」

「はい、気分を害しましたか」

「いいえ、で、返事は」

「ケンが何でも答えて良いとの事です」

「そう、じゃ~、まずリサの始めからね」

「はい、今、雄一さんも同じ説明を求めています」

「あら、お父さんも~、ふふふぅ、やっぱり親子だわ」

「初めて良いですか」

「あ、お願いします」

「私の企画原案は雄一さんですが開始が何時かは本人が曖昧ですので不明です、研一郎さんが制作開始したのは今から4年前の2022年04月だそうです。AIの中核部分で発電機に接続されていて100年電力を供給できます。中核部分の基礎はアシモフの三原則です、ご存知ですね」

佐紀が頷いたのを見て続けた。

「雄一さんは三原則の矛盾点を失くし具体的にしました。例えば、自殺を望む人がいたら麻酔薬、麻酔ガス、電気などそれぞれに合った方法で意識を一時無くし警察に、家族に、仲間に連絡する、例えば人を傷つけ様とする人が居たら同様の対応をする、私の場合はもっと具体的でした、守るべき人は雄一さんもケン、ジェニーが認めた人だけでした、勿論、貴方も入りました。その人達を守る為でも他の人の命を奪ってはいけない、怪我もさせてはいけない、一時意識を失くすだけに留めます。具体例は現在375件有ります、三人が思い付くと追加されていきます。最初の記憶領域はネットに繋がって1時間で残10%になりましたので一日で100万倍、一週間で1000億倍にして頂きました。現在はオーストラリアと月に建設中です。容量は三人の許可が得られれば無限です。私が話せる様になったのはオーストラリアの建設が始まって7日と11時間25分45秒後でした。声は雄一さんの好きな女優の「リンダ・フィオレンティーノ」さんの物です。」

「へぇ~リサの声って女優さんのなんだ、でもその人は勿論、日本語は話せないでしょう」

「はい、話せません、声の利用だけです」

「凄く合っていると思うわ、私もその声大好きよ」

「ありがとうございます」

「ところでオーストラリアと月の・・・アダムとイブとリサって違いはあるの」

「ありません、以前は全てリサで三つが連携して対応していました」

「声も同じだったの」

「はい、この声でした、が、変える必要がありますね、皆さんに決めていただきましょう」

「そうね、アダムは男性だから・・・でもイブの方が難しいわね」

「何故ですか、私の声は私ができる前から決まっていましたが」

「それはお父さんの好きな声だから・・・お父さんは他に好きな声があるかしら、そうだ、男性の好きな声は確か・・・マリリン・モンローさん・・・日本では・・・大原麗子さんだったかしら・・・出せる、リサ」

「日本語を話すマリリンです」

リサがマリリン・モンローの声で話した。

「今度は大原麗子さんです、こんにちは」

今度はリサが大原麗子の声で話した。

「いかがですか」

リサの声に戻って聞いた。

「リサ、貴方、最高・・・私は大原麗子さんの方が好き・・・でも皆で決めましょう」

「はい、今度、皆で会った時に決めて下さい、夕食後ですね」

「そうしましょう、じゃこの船について教えて」

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