第30話 研一郎とリサの会話
「ケン、今お時間ありますか」
「どうした、リサ」
「理解できない言葉があります」
「いいよ」
ジェニーがリサの食事メニューを検討しているらしくケンは一人だった。
「嘘も方便の理解ができません。嘘は悪い事なのに、良いとしています」
「はぁっはぁっ、うん、論理的なリサには理解しにくいだろうな」
と笑いながら言い、しばらく考えた。
「非常に仲の良い夫婦がいるとする、この夫婦がある日不幸な事に交通事故に合い病院に運ばれた、妻は残念ながら即死で夫も意識はあるがもう助からない、この時、夫が医師に妻の状態を質問する」
ここまで言うとリサが言った。
「解りました、医師は奥様は重症ですが命は助かります、と言ったのですね」
「そう、よく重症としたね、」
「だって、軽症なら側に来るはずですから」
「大正解、これが嘘も方便の例だ」
「そうか、嘘に悪気がなく、結果、傷付く人もいなく、喜ぶ、幸せになる人がいれば、それは、許される嘘で悪ではない・・・のですね」
「よくできました、悪気がなくても嘘付く人がいます、本人には悪意はなくても、結果、傷付く人がどこかにいれば、それは、悪なのです」
「詐欺の嘘とは、全く違いますね、私は、詐欺の中にも善のものもあるのかなと思っていました、研一郎さんは頭がいいし、特に例え話が解り易いです・・・・・」
「実は、電話調査と言って、世界中の16人に聞いて見ましたが、聞けば聞くほど、解らなくなり、止めました、やっぱり研一郎さんに聞くのが一番と思ったからで、その通りでした、非常に簡略で論理的です」
「リサに誉められるとうれしいね」
「冗談ではないです、本当です」
少し、怒った様に言った。
「ありがとう」
ケンは礼を言いながら、少しずつ感情の起伏も表現できるようになって来ているなと感じた。
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