第29話 リサの進化-その二

「理論の話はここまでにして、船の現状と皆の作業の状況を話題にしたいのだがね。

理論の話は何時でもできるからね」

雄一が話題を変えたいと申し出た。

「そうそう、リサ、船は元に戻ったの、船は今何処」

ジェニーがリサに尋ねた。

「はい、外壁の修理の応急処置にはお力をお借りしましたが、雄一さん、ケン、ルイがロボットを改良してくれましたのでロボットが改修しました。防御フィールドも修理して貰い出力向上されました。現在位置ですが地球型惑星を持つ可能性ある恒星に向かっています、ですがまだ惑星の解析ができる距離ではありません。」

「そうそう、リサ、ケンの作ってくれたアームを改造してあげたでしょ、あれどう~、料理できる、洗濯と後のたたみはどう、できる」

「はい、料理を作りジェニーに食べて貰いました、美味しいと聞いています、洗濯と折り畳みは出来ます、出来上がりをこれもジェニーに確認して貰いました」

「ルイ、トーストとオムレツを食べたけど美味しかったわよ、洗濯も折り畳みも見事だったわ」

「わぉ、じゃ~これから食事も洗濯もリサに任せても良いのかい」

ケンが喜びの言葉を漏らした。

「料理は何が作れるの、メニューはあるのかい」

こんどはヘンリーの質問だった。

「世界中のレシピが記録されていますのでレシピに合って材料がある物でしたら何でもご注文下さい、現在、メニューは有りませんが、国別でメイン材料別で一覧を作りますか?」

「いいね、作ってくれ、リサ」

「はい、ヘンリー」

「ところで、リサが保存している料理本や論文やテレビ番組や映画の版権はどうなっているの、違法なの」

佐紀の質問にジェニーが答えた。

「大丈夫よ全て版権を払ってあるか許可を書面で貰っているわ、その書類のコピーもリサが保存しているのよ」

「全て、全てなの」

「そう、全て、版権書類、承諾書の無い物は無いはずよ、リサが照合しているから、ね~リサ」

「はい、全て揃っています、ご安心下さい」

「話を戻すけど、材料が無くて出来ない料理ってなんだろう」

「ヘンリーが好きな料理って何、今一番食べたい物って何」

「ルイ、そうだな、スペアリブ、エビチリ・・・雄一さんは」

「そうだな~・・・餅・・・かな」

「餅って出来るの、リサ・・・確かもち米は積んであるはずだけど」

「はい、あります、ルイ、ですが・・・はい、可能です、積んで戴いた炊飯器が餅作りが可能ですので餅は作れます」

「そうだ、今から夜食に餅を食べようよ」

ヘンリーの提案で皆で夜食に餅を食べる事になった。

皆はリサが作った餅を醤油、砂糖、蜂蜜、味噌などで食べた、残念ながら黄な粉は無かった、だが枝豆が積んであったので「ずんだ餅」を食べる事はできた。

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