第27話 リサの進化-その一
ケンはリサに願い「ひも理論」の講義のビデオを見ていた。
その前は「ナショジオ」の宇宙関連の番組を見た。
ジェニーは「ビッグバン」、「宇宙創成」など宇宙の成り立ちに集中していた。
ヘンリーは「太陽の構成」「太陽の誕生」など太陽に集中していた。
ルイは「アインシュタインの法則」について研究していた。
佐紀は「物質の成り立ち」「量子力学」「光の特性」と小さな方向だった。
彼らはリサにこれらの情報を含むテレビ番組や著書を探して画面に表示して貰っていた。
リサに情報の有無と表示を願っただけで検討の会話では無かった。
そして雄一はリサといろいろな話題で問答をしていた。
「この宇宙旅行の前にこの世界で一番早いものは何・・・と質問されたら何と答えた・・・かね」
「光です・・・但し物のかどうかは解りません・・・と答えていました」
「いましたと言う事は実際に質問されたのだね」
「はい、それは去年の」
「あ、何時かは言わなくていいよ・・・余計な情報は記憶の邪魔になるからね、それで今は何と答えるかね」
「嬉しいです、今、光の質問をされた時点でこの質問が想定、予想する事が出来ました・・・機械の私が未来の想定が出来ました、嬉しいです・・・回答ですが資料不足と答えるしかありません」
「それで、その君の想像は何と思ったのかね」
「光では無いと言う事実しかありません、そして人はその他の物質を発見していません」
「過去に理論を出したが同業者に否定されたものは存在するのだがね」
「ヒモ理論のヒモは速さの言及は有りません・・・エーテルですね」
「そうエーテルだ」
「ですが私のデータにはエーテルの存在を示す証拠がありません」
「君は物理学を知っていますね・・・物理には実証物理と理論物理があります。機械は実証物理は得意ですが理論物理ができません、不得意では無く出来ないのです。理論物理はいろいろな現象、結果から何故、どうしてを推理し何故かを考える学問です、その結果、公式が生まれる事も有ります。」
「アインシュタインの式ですね」
「そう、その通り、でも私は機械は出来ないといったのです、君が出来ないとは言っていない」
「えー、私にできるのですか、理論物理が出来るのですか」
「私はリサなら出来ると思っています・・・第一その質問自体既に一種の予想つまりは理論ですよ、
私の知る他のコンピューターはデータが足りません・・・などと言うでしょうね」
「・・・そうですか・・・できますか・・・事実の列挙の後に私の理論を試しても良いでしょうか」
「もちろん、後で結果を聞かせて下さい」
「はい、ありがとうございました」
「なーに、こちらこそ、ありがとう」
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