第10話 方針決定に当たって
それは佐紀が起きる前で船が光速以下に成り後方に光が確認できた時の事だった。
「雄一さん、船をあの光に向けますか」
「リサ、今はその時では無い・・・・皆は解かるかね」
そう言って雄一は皆を見渡した、一人研一郎だけが微笑んでいた。
「ケンは解かっている様だね、他の皆は理解できないようだ」
「私の考えが兄さんと同じかどうか・・・・私の考えでは今帰っても我々を襲った・・・今は敵と言っておきますが・・敵に勝つ方法が無いから戻るべきでは無い・・・と思います」
「そうか」
「確かに」
「成る程」
と皆から賛同が得られた。
「雄一さんも同じなの」
「ルイ、同じ理由だよ、リサ解かったね」
「はい、理解できました、今の装備では又逃げることになります、やはり私はまだまだケンや雄一さんには勝てません」
「リサ、それは無理だよ・・・だって私の方がずっとずっと年寄りだからね」
雄一のこの言葉に皆が和み一抹の不安が吹き飛んでしまった。
「そう言えばリサって何歳なんですか、ヘンリー」
「ルイ、僕も詳しくは知らないんだ、ケンと姉さんが作ったからね」
「ケン、ジェニー君達にはこの船の事やリサの事も含めいろいろ聞きたい事があるが、それは後で手が空いた時に取っておこう。今は他に決めておきたい事があるからね」
雄一は皆を不安にさせない為、今は緊急事態だと言わず言葉を選んだ。
「リサ、燃料の残量はどれ程かね、燃料タンク以外に在庫はあるのかね」
「タンクの残量は30%で在庫を含めると60%です」
「長大な帰環工程と帰環後の交戦を考えるとかなり不足しているね・・・・リサの燃料を聞いていなかったがケン、何を使ったんだ」
「水素です」
「無論、貯蔵は液体だね」
「はい、タンク内も液体です」
「ヘリウムは試したかね、他の元素は試したかね」
「はい、兄さん、水素は可能でしたが変換効率が悪いのでヘリュウムやその後他の元素を試みましたが失敗しました、それで水素です」
「うむ~・・・・その問題は今後ケン、ジェニー、ルイに手伝って貰って解決しよう、リサ、君に惑星の構成元素を測定する機能はあるかね」
「ありますがこれ程の速度では計測不能です」
「うむ~では恒星のタイプは測定できるかね、F型つまり我が太陽と同タイプの恒星を確認できるかね」
「可能です」
「では、第一任務はF型恒星を見つけ恒星元素が把握できる距離まで接近し岩石惑星があれば更に接近してほしい、任せて良いかね」
「お任せ下さい」
「では、任せよう、リサ、もう一つ確認しておきたい、それは宇宙放射線だ、防御フィールドが機能していない今放射線は防御できいいるのかね」
「はいご心配無く、設計上、光線フィールドとは別系統になっています、ジェニーの提案で別に変更しました」
「ジェニーの発案か・・・ジェニー良く考えたね、良くやった」
「ありがとう御座います、雄一兄さん」
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