第8話 方針決定

「良し、解った・・・リサ、燃料の残量と光速まで減速するとしての燃料消費量を教えてほしい。

減速に掛かる時間は1時間、6時間、12時間、24時間としての消費量を算出するか、残量の1%を消費するとしての所要時間で提示してほしい」

「了解しました。

燃料タンクだけの残量は30%です。急激な加速を余儀なくされましたので大量に消費しました。

1%の消費で6時間掛かります、1時間の場合は10%消費します。12時間、24時間でも0.7%、0.8%と1%と大差ありません。1%で6時間をお勧めします。」

「解ったリサ床に重力が掛かる様に船体の向きを変え6時間で減速した場合の重力は幾らかね」

「はい、1.2Gになります」

「1Gでは何時間掛かるかな」

「8時間です」

「良し、向きを変えて1Gで減速を開始して下さい」

「皆さん、一旦重力の向きが変わりますのでベルトを締めて下さい」

床からベルト付きのシートが現れた。

皆がそれぞれのシートに座りベルトを締めた。

「皆、良いかな」

雄一が皆に確認した。

「OK」、「OK」と皆が返事した。

「リサ、初めてくれ」

「了解、始めます」

佐紀は徐々に体の向きの感覚が混乱するのを感じた、上下の感覚が可笑しくなった。

それも直ぐに無くなり今度は無重力になった。

「方向転換を終了しました。減速を開始します」

佐紀は少しずつ体重を感じる様になって行った。

「1Gです、ベルトをはずしても大丈夫です」

「さてと8時間の暇ができたな」

雄一が言いながらベルトを外し伸びをした。

釣られる様に皆が真似て伸びをした。

「私から皆に提案したい。

1.船での生活サイクルは地球時間に合わせる、起きる、食べる、寝る時間だね。

2.食事は皆で揃って食べる、誰が何を作るかは臨機応変に行く。

以上、どうかね」

雄一のこの言葉に皆が賛成しケンが言った。

「そう言えば何だかお腹が空いてきたなー、僕だけ・・・」

「今、何時なの、リサ」

「7時です」

「午前、午後?」

「午後です、ジェニー」

「ルールを一つ追加しよう、今後、艦内での時間は24時間形式で言う事」

「賛成、現在は19時ですね」

「ルイ、賛同ありがとう」

「ルイはお兄さんの言う事は何でも賛成するでしょうー」

「冗談はそれ位にしてケン兄さんの言う様に僕もお腹がペコペコだよ、まずは食事にしようよ」

「採決を取りまーす、今から食事に賛成の人ー」

ケンの言葉に皆が勢い良く手を挙げた。

「では、誰が何を作るのかね、異議が無ければ、まず私が作ろう・・・その前に誰かアレルギーは?」

幸運にも誰もアレルギーは無く、申し出にも賛成しその日の夕食は雄一が作った。

何時までどれ位続くか判らない航海の・・・宇宙旅行の記念すべき一回目の食事は雄一の作ったカレーだった。

それからの船内生活は雄一の提案した三っつのルールが守られた・・・大体は。

食後、各自の部屋でシャワーを浴びたり、お風呂に入り眠りに着いた。

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