第4話 救出作業

<救出作業>-----#004

二人が管制室に戻るとスクリーンに日本の宇宙船が写っていた。

「お父さん」とドアが開いた途端に早紀は叫びスクリーンに駆け寄った。

「まだ、遠いのよ」とジェニーが言った

「リサに任せて置けば早いよ」と研一郎が付け足した。

「はい、10分以内に直接会えます」

「ありがとう、リサ」

「お礼は、お会いしてからが良いかと・・・」

「何か心配があるの」

「いいえ、全く有りません、お礼は事象の後が適時です」

「・・・」

「ジョークですが、失敗のようですね」

「・・・」

「研一郎さん、助けて下さい」

「早紀ちゃん、リサは、まだ勉強中だから、許してあげなさい」

「許すだなんて、リサ、気にしないで」


日本の円錐形宇宙船に同期を取り横に球体の宇宙船が並んだ。

日本の宇宙船の内部で「ゴト」と音が聞こえた。

「兄さん、聞こえますか?今スピーカーとマイク付きのケーブルを繋ぎました。

そのままで喋れば聞こえます、無線では何れ(イズレ)は誰かに聞かれますので・・・」

「研一郎。思ったよりも早かったな」と力強い言葉が返って来た。

「お父さん、元気なのね」と佐紀が慌てて質問した。

「佐紀、お前も一緒か、うむ、これからの予定を少し変更しなければならない様だ。

取りあえず其方(ソチラ)に移りたい、ここは少々狭くてな、そちらの方が広いよな」

「兄さん、連結チューブを綱ぎますが念の為宇宙服を着て下さい」

15分後に親子の対面はなった。


研一郎の宇宙船はステルスであるから地球で観測する者たちには雄一が日本の宇宙船と共に深宇宙へと向っている、と思う様にそのままにしておいた。

当然、飛行士は死ぬ事になる、酸素も水も循環式だが食料が尽きてしまうからだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る