第3話 宇宙船の案内 その一
<宇宙船の案内 その一>-----#003
ルイは時間が無いので制御室を出て個室の案内だけにした。
「通路の右の一つ目が研一郎とジェニーの部屋、一つ空けてヘンリーの部屋よ。
通路の左は一つ目が貴方のお父さんの部屋、二つ目が私の部屋」
ルイは部屋割りを説明した後、右の二番目の部屋に入り
「ここが早紀ちゃんの部屋よ、気に入ると良いけど」
「素晴らしい部屋です、皆さん同じですか」
「基本は同じです、皆それぞれ嗜好を凝らしていますね」
「私、急に来たから、下着の換えもないの」
「私のを使って、いっぱい買ってあるから後で持って来るわね」
「ありがとう御座います」
「気にしないで早紀ちゃんが気に入ってくれれば良いのだけど・・」
「ルイさん、ありがとう」
「部屋の事でも何でも解らなかったらリサに聞いて下さい、皆への連絡も頼めますよ」
「何処にいてもリサと話せるのですか」
「何なりと、お申し付け下さい」とメイドの様な口調でリサの声が聞こえた。
ルイは部屋の設備を紹介した、部屋の設計には少なからずルイの思いが入っているからだ。
ドアから入った部屋は8畳ほどのリビングで冷蔵庫と簡単な台所があり、6人用の応接セットと6人用の食事テーブルがあった。
隣には寝室が有り、とても大きなベッドが中央にデーンとあった。
リビングの寝室の向かい側にはシャワー室とトイレとクローゼットになっていた。
早紀が思っていた何倍も素晴らしい部屋だった。
「まだ未完成なのよ」
「えーこんなに素晴らしいのに」
「だって洗濯も料理も人がしなくちゃいけないのよ」
「えーそれも自動化・・・と言うかリサにやってもらうのー」
「リサはそりゃー素晴らしい・・・わ、でも人間の一番素晴らしい創造性がないのよ。
リサ、どう」
「はい、残念ながら事実の羅列しかできません。
どんなに大量の事実と理論を蓄積しても新たな理論を生み出す事はできません。
それに、私は料理の資料・・・レシピを大量に記録していますので試してみたい」
「・・・試してみたい・・・凄く人間ぽい・・・そう思わないルイ」
「・・・確かに・・・でも・・・それは誰かの引用なのか、自発的なのか・・・リサ、どっち」
「・・・・・・解りません」
リサには珍しく躊躇が感じられた。
「リサ、後で時間を取って話会いましょう・・・とにかく洗濯と料理はOKね」
「ルイ、勿論です、作業用の腕を作って下さい」
「洗濯は各部屋にシューターを設置し一箇所に集めリサが洗濯をし折りたたみ持ち主の戸棚に戻す。
料理はリサが器を選択し冷凍庫、冷蔵庫から食材を出し調理する。
最初は飲み物を作れる様にし、次に食事にするわ。
リサは現在でも地球上のほぼ全ての飲み物、料理の成分と調理方法を知っているの。
後はリサに調理用の手を与えるだけなのよ。」
「リサ、凄い・・・私に料理を教えてね」
「はい、佐紀と料理を作る事が楽しみです」
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