マシマパークへの道中

マシマパークへの道中も、真司は陽一を殺すのかどうかを考えていた。


(一週間で、果たして決められるのか?でも決めないといけない。何をすれば正解に辿り着くのだろうか……)


そんな事を考えているとも知らず、陽一が話しかけてきた。


しかし、真司の耳には入ってこない。


「おーい、聞いてるの?」


ようやく真司の耳に届いた。


「ごめん、ごめん。他の事考えてて聞こえてなかった。」


「ならいいけど。てっきり無視されてるのかと思った。」


「で、何て言ってたの?」


「ジェットコースターってどうすれば怖くなくなるの?」


真司は内心、(そんな事で話しかけてたのかよ。)と思った。しかし、そんな事を言ったら陽一が傷つくと思い、普通に答えた。


「俺の経験上、大声を出すとあんまり怖くなくなるんだよ。実は、俺も元々ジェットコースター苦手だったんだけど、大声で叫ぶようにしてから、怖くなくなったんだ。」


「え、真司も怖かったの?」


「勿論だよ。あれが最初から怖くない人なんているか?」


「まぁ確かにね。 へぇー、大声を出せばいいのか。やってみよう。」


そんな事を話していると、いつの間にかマシマパークの入場ゲートが見えてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る