2020/07/22
どうも、仲間内では陰キャの中の陰キャと冗談交じりに嘲笑されている高校生活一ヶ月目の杜樹と申します。
あまり陰キャとか陽キャという言葉は使いたくないのですがね……。趣向や性格は一人ひとり異なる大切な個性だというのに、それを陰キャと陽キャというワードで勝手に二分して、負のイメージを頭ごなしに押し付けられている気がしてならないので。
まあ、所詮は陰キャの遠吠えですがね。
……さて。終わりのない愚痴を綴りかねないので話題を変えましょう。
だがしかし、言わずもがな在庫は依然として品薄状態。
んんん……。首を傾げた所で妙案が浮かぶ訳でもあるまいし。
それでは、最近僕が読むに没頭している小説の話でもしましょうか。
その小説、というより作品群は通称『小市民シリーズ』と呼ばれ、ライトミステリー小説として親しまれています。
まあ、親しまれていると言っても、初めて耳にする方が多いだろうと思います。メジャーかマイナーかの認識は個人によりますが、恐らく名を轟かせるほど有名ではないでしょうし(決して貶めている訳ではございません)。
アニメ化されるほどの人気を博したライトミステリーの金字塔『氷菓』の著者、米澤穂信さんの小説だと言えば、そのクオリティが明察出来るかと思います。米澤さんというだけで信頼感が半端じゃないです。
では早速、『小市民シリーズ』について語っていきましょう。
この物語の主要人物となるのは、優男然としつつもややシニカルな一面を持つ
この二人は各々とあるどうしようもない性分を抱え、彼らはそれを抑えて穏便に平和な高校生活を謳歌する──言わば『小市民』となるべく、恋愛関係でも依存関係でもない互恵関係を結んでいます。
あくまで互いが互いの盾として、また抑制力として行動を共にするだけであり、双方恋愛感情を抱いている描写は見られません。
それ故に、作中ではお熱いラブシーンなどは一切ありません。残念です。非常に残念。
そんな二人が日常に潜む様々な『謎』と遭遇し、解き明かしていくというのがこの物語の指針なのですが、面白いのは、二人が抱える困った『性分』です。これが無ければ、ただ頭脳明晰な男女がただ事件を解決するだけの一般的すぎる推理小説でしかありません。小市民シリーズが小市民シリーズたらしめている根幹はここにあります。
語り手である小鳩君は、問題事に自ら首を突っ込み、持ち前の推理力で事件を解決してその快楽を味わいという推理したがりな性分に苦悩しています。
そのことで中学時代ではかえって周囲の反発や恨みを買い、嫌厭されたという
彼曰く、
「もったいぶっていたらまるで手遅れになって、逆恨みを買った」
「人様の幻を破って泣かせただけで、なに一つ好転しなかった」
「自信を持って開陳したら、圧倒的に上をいかれた」
と、一般的な推理作品群の主人公がご都合主義的に食らっていない打撃を一様に浴びせられるという、如何にもな現実を突き付けられています。
謎を解き明かしたいという欲求と、トラウマを繰り返さぬよう小市民的であれという信条との二律背反。それでも尚物語の探偵役として推理を発揮する彼の姿は、普通の探偵とは違った魅力を感じさせられます。
まあ有り体に言ってしまうと、少々ブレーキが効かな過ぎるところが玉に瑕ですが。
そして名目上のヒロインであり、もう一人の主人公小佐内さんですが、これまた普段の消極的で人見知りな彼女が秘めているとは思得ない性分を抱えています。
言いませんけどね。ネタバレになるので。
ここまで来たら毒を食らわば何とやらだろうとも思いますが、個人的に小佐内さんの本性が初めて明かされた際の衝撃は半端ではなかったです。それ故にここでは語りません。
もし時間と懐に余裕があれば是非読んで頂きたい。
今現在小市民シリーズは『春季限定』『夏季限定』『秋季限定』と、某雑誌に断続的に掲載されていた短編集を纏めた『巴里マカロン』の四冊があるので、一冊と言わずに全冊買って下さい。問答無用(圧)。
与太話ですが、『秋季限定』が刊行されてから『巴里マカロン』が刊行されるまでに、実に十一年が経過しています。
したがって、『冬季限定』が世に出るのはもう何年か後になりそうです( プ̶ロ̶ッ̶ト̶は̶で̶き̶て̶い̶る̶と̶は̶何̶だ̶っ̶た̶の̶か̶)。
それではここまで御付き合い頂きたい有難うございました。
皆様、良い夢を。おやすみなさい。
アニメ化してくれないもんかね。
ただ、頼みの綱の京アニがあの状況じゃ絶望的か。
京アニのアニメ好きな作品ばかりだっただけに悲しい。
氷菓然り、ハルヒ然り、けいおん然り。
割と投稿は連日になったり二日空いたりしますが、流石に五日以上空きを作ることは無いと思います。
まあ、三日サボった時点で既に三日坊主なのですがね。
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