第15話 狐女とレン

 恋也はもう一度レンに声を掛ける。

「なぁ、いい加減出て来いよ。俺のこと忘れたとは言わせないぞ」

 レンがそういうと、異空間から着崩して着物をきて煙管を吹く狐妖怪のような女性が姿を現す。

「久しぶりねレン。元気にしてた?」

「久しぶりだな、コン美」

 二人は友達の様に話す。

「知り合い?」

「ま~な、昔に色々あってな」

 レンは嬉しそうに話す。レンの友達のこと、初めて聞いた恋也は少し嬉しくなる。



 未来と真保はウキウキ話している。

「そういえばだけど、お母さん、帰ってきた?」

 気まずそうに訊く真保。未来は悲しそうに首を振る。

「何かあったの?」

「実はね、三か月前から私のお母さんが行方不明なの」

「行方不明?!さ」

 恋也が驚いていると、未来はある雑誌を取り出す。それはパワースポット巡りのテーマにした雑誌。そこにある、ある山の写真のを見せてくれる。

「私のお母さんはここに行ったの。でも見えるかどうかわからないけど、ここ、白い柱が立ってるの分かる?」

 未来は山の写真を見せる。

 全員でのぞき込むが、よくわからない。だが、恋也とレンは写真に光の柱が立っているように見える。

「他の写真には霊が写ってるんだけど、数が尋常じゃないほど居るの。これはいすぎるの。もしかしたらこの柱が原因なのかもしれないから明日お父さんに頼んで連れっててもらおうと思ってるの」

「それに、俺たちもついてっていいか?」

 突然にレンが声を掛ける。

「あなた、あそこに何かあるの?」

「ま~な。ついてっていいか?」

「私は構わないけど…」

 彼女はコン美に目線をやる。

「私は構わないわよ。みんな来るんでしょ?」

「もちろんです!恋也とレンのみで行かせたりしません」

 実花は絶対行くと言わんばかりの目をする。

「わかった!お父さんにも言っておくね。明日は学生島の行きのモノレールの駅前で待ってるからね」

「分かった、未来またね」



 恋也たちは未来に別れを告げ、全員は学生寮に戻る。

「恋也、じゃあな!」

 恋也はレンと共に部屋に戻る。

「はあ~疲れた。レン、あの写真に写ってたあの柱。何かあるの?」

「あの柱に見覚えがあってな…」

 レンはそのまま黙り込んで親指の爪を噛む。今まで見たことない表情に恋也も黙り込む。そのタイミングでスマホのブザーが鳴る。

「何々⁈なんかあるの?」

 恋也が取ると、学校からだった。メールを読むと、あの破壊された件についてのようだ。

「えっと…。なるほど」

「どうしたんだよ」

「えっとね、あの破壊された件についてなんだけど、意外と損傷が激しくって、直すのにも時間が掛るんだって、それでほかの所も調べたら破壊寸前の場所がいくつも出たから校舎に侵入を禁止するらしいの」

「そうなったら、授業どうするんだよ」

「オンライン授業になるらしいよ。直って入れるようになったらまた連絡するって」

「ふ~ん。ならずっとこの中か。めんどくさいな」

「文句言わないでよ」

 恋也はスマホを使って、電子小説を開いて読み始める。

「何読んでるんだ?」

「ライトノベル。田舎い引っ越してきた子が恋をする物語。読んでみる?」

「いいよ。俺、字読めないから」

「そうなの?なら読んであげるよ」

「途中読みだろ?読み切ってからにしろよ」

「これ、三回も読んでるからいいよ」

 恋也はレンに言葉を教えるように読んでいく。優しく教える恋也に嬉しく思うレン。それなのに、レンは恋也の身体をいやらしく触る。でき慎なのだろうか恋也には分からない。だが、恋也の身体の触り続けるので、興奮してくる。

「恋也、お前の身体にもっと触れたい。服の中に、手入れていい?」

 断る意味もなく、恋也は顔を赤くしながら頷き、レンと身体を重ねた。




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