第11話 買い出し

 時計を買った恋也たちは服屋に向かう。男物と女物が別なところなので、四人は別れることに。

「まさかの女物は別なところなんだな」

「当たり前だろ、さっさと選ぼう」

 恋也たちは服屋に向かう。

「やっぱり種類が多いな」

「そうだな。岩太はそこに居るの?」

「ああ、俺大きいサイズの服だからな」

 ヘラヘラ笑って言う。

「分かった、俺は奥に行くね」

「了解」

 恋也は奥に入って行く。そこでレンを呼び出す。

「急に呼び出してなんだよ」

「レンも服選んで。ずっとその服じゃ洗濯もできないから」

「いいのか?」

「もちろんだよ」

 レンはスタスタと服を選ぶ。恋也は軽く着れるパーカーを見ていく。今は服で隠しているが、見られたくない。この姿を皆が見たら、どのような反応を見せるのだろう。一度でもいいから、夏には半そでの服を着たい。

「恋也、服ありそうか?」

 服を見るためにどこかに行っていたレンが戻ってくる。

「何とかね」

「そういう割には、一着も持ってないな」

「別に良いだろう」

「もし悩んでるなら、選んでやろか?」

「別にいいよ。自分で選ぶ」

 恋也はジーパンなどを取っていく。自分のサイズもあり、手に取っていく。Tシャツやコート。薄手の長袖の上着。たくさん見ているうちに、持ちきれなくなり、カゴを持ってくる。レンの物も入れて、満タンになる。買う物も無いので、レジで会計をする。ここでは学生手帳を見せれば全ての物が無料になる。店員さんからは一人にしては多いなと思われたかもしれない。

 店から出ると、岩太がベンチに座って待っていた。

「お帰り、四階に実花たちが待っているみたいだから上に行くぞ」

「分かった。エレベーターに乗って行こう。その方が早い」

 恋也たちは、エレベーターに乗り込み四階に向かう。実花からの連絡では四階にあるオムライス屋に居るそう。そこで食事を取るそう。

 岩太は早く食事を取りたいため、早歩きで向かう。

 お店の前に着くと、真保が立って待っている。

「恋也くんたち!こっちだよ」

 手を振って知らせてくれる。こちらも手を振る。そして真保は中に誘導する。

 入った場所は個室。

「ここで食べるのか?」

「そうだよ?私の家、お金持ちだから個室を使えるの。これならレンくんも食べれるでしょ?」

 真保はレンを気遣ってくれたようだ。

「ありがとう。レンも喜ぶよ」



 全員がそろったので、食事を始める。実花と真保は昔ながらのオムライスエビフライ付き。岩太はメガ盛りデミグラスオムライス。恋也はホワイトオムライス。レンはカルボナーラ風オムライス大盛りを注文。全員で食べ終え、休憩を取る。

 恋也はみんなに体のことを話そうか迷う。もう二度と、ため込まないと考えていたのに。恋也は手に力が入る。

「恋也、どうしたの?気分悪い?」

 実花は心配そうに訊いてくる。恋也は思い切って、話すことにする。

「少し、訊いてもらってもいいか?」

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