第10話 実花の友達、真保
恋也はいつも時計で目覚ましを掛けているが、動かないことに気づき今回はスマホでセットした。そのおかげでか、いつもより早く起きられる。
すると、スマホが突然鳴り出す。
「誰だ?こんな時間に?」
画面を見ると実花からの連絡。そこには「もう一人一緒に行きたいと言ってる子がいるのだけど連れってていい?」との連絡。恋也は「構わない」と連絡を入れる。するとすぐに「ありがとう」との連絡が入る。
「レン、早めに行こう」
歯を磨いているレンは頷いて応答する。
恋也は部屋を出る前に父親の仏壇の前で手を合わせてから部屋を出る。
エレベーターに乗り込み、一階を目指す。
到着すると、実花と岩太が待っている。
「二人共、ごめん待った?」
「いや、大丈夫だよ。まだあの子来てないから」
実花はスマホを見る。
「もう少ししたら着くって」
エレベーターを見ると、一人の女子が慌てて走ってくる。
「ごめん!遅れた~!」
花柄のTシャツが特徴的のショート髪女子。可愛げある印象。
「大丈夫だよ、今来たばかりだから」
実花は彼女に気を遣う。
「恋也、岩太、紹介するね。彼女は
「よろしく♪」
「よろしくね。俺は水樹恋也」
「俺は、遠藤岩太。よろしく」
「よろしくね、二人共。さっそく行こう!」
真保は拳を突き上げて出発を促す。
彼らは、学生島にあるショッピングモールを訪れる。ここのショッピングモールは学生だけではなく、一般の人も利用できる。高さは四階建て。車通りもあるため、駐車場は地下を使っている。地下も入れたら六階建て。
「こんな早い時間に何を買いに行くの?」
「恋也の時計」
「あとは服とか?恋也持っている服が少なすぎるんだもん」
「悪かったな少なくって」
恋也はイラっとしたのか、文句ありげに言う。実花は「そんなつもりじゃ…」とおろおろする。
「嘘だよ」
恋也は笑顔を見せる。どこかのカップルを見ている気分だ。
「そんなことより、早く買い出しに行くぞ」
レンは異空間から姿を現す。
「わかってるよ」
真保は初めて見るせいでか、目を丸くする。
「え、とう…どちら様?」
「そういえば知らなかったな」
レンは自分のことを説明する。
「そうなんだ。よろしくね、レンくん」
真保は笑って言う。笑顔がとても綺麗だ。
「あんたレンっていうんだ」
「本名が長いと恋也から言われたのでな。あだ名の方で覚えてもらう」
「まあ、そんなことより早く行こうぜ。昼飯もここで食べるんだし」
「そうね。早く行きましょう」
恋也たちは、さっそく時計屋に向かった。
「恋也はどの時計が好き?」
実花は恋也の隣に来て、時計を選ぶ。目覚まし時計と言っても、種類は豊富。どれにしようかと考えてしまう物。
「どうしようかな?そう簡単に壊れないやつがいいな」
「それだったらこれがいいんじゃね?」
岩太は奥から目覚まし時計を持ってくる。
「これ、ねぼすけを必ず起こす時計だって。恋也にちょうどいいな」
「俺がねぼすけだと言いたいのか?」
少し怒りながら言う。
「だってそうだろう?寝坊するだろ」
「確かにそうだな。これにしよう」
恋也は時計を持って会計を済ませる。
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