第4話 襲来
教室に戻った恋也は、自分の席に着く。そのタイミングで、五限目の授業が終わる。
「恋也、自販機行かないか?」
岩太は恋也に話しかける。恋也は眠たそうに「行かない」と答える。
「そうか、俺行ってくるな」
「ああ」
岩太が去ったあと、恋也は眠くなり夢の中に入り込む。それは、悲劇の始まりに過ぎなかった。
夢の中に入った恋也は、学校に居た。いつもと変わらない風景。しかし、違うとすれば、自分自身がお化けになったかの様になっているだけ。今自分がいるのは、自販機の場所。そこに岩太と実花が現れる。まるで自分自身が、本当に幽霊になってしまったかのよう。
二人は何気ない話をしている。将来のこと、勉強のことを話し合っている。二人の微笑ましい姿になぜだか安心する。
だが、そんなもの長くは続かない。二人は何かに驚き、身体を縮こまらせる。学校の昇降口から、背中から触手のようなネバネバしたものを生み出している男が現れる。恋也は声を出そうとするが、声が出ない。必死に訴えようとするが、生徒が次々に殺されていく。そして、実花の身体が射抜かれ、岩太は頭が潰された。
恋也は声にならない叫び声を上げる。これが、現実にならないことを祈りたい。
「気が動転しているようだな」
恋也は顔を上げると恋愛勇者が立っており、異次元空間に移動していた。
「ここは?実花たちは?」
きょどりながら辺りを見回す。
「安心しろ。先程のは未来の映像だ」
「未来?」
「そう、私は未来を予知する力がある」
自慢げに言う恋愛勇者に、「気持ち悪…」と一言。
「気持ち悪いとはなんだ?ひどい奴だ」
「なんとでも言え。てか、今のやつって本当に起こるの?」
恋也が訊くと、恋愛勇者が素直に頷く。恋也がぞっとしていると、恋愛勇者が付け足す。
「だがこれは、お前が変身できなかったの場合の話だよ」
恋愛勇者が可愛く言うと、恋也は目線を逸らす。
「だから変身できないんだって」
「それは、自分が制限をかけているからだろ?君ならもう一度なれるよ。さて、そろそろやつが来るよ」
恋愛勇者がそういうと、目が覚めた。
「水樹君起きた。おはよう」
前に居る女子生徒が言ってくる。
「あ、ああ。岩太たち帰ってきた?」
「まだだよ」
恋也は廊下を見ると、恋愛勇者がなにかに睨みつけるように立っている。恋也はその様子を見ていると、彼は突然走り出す。恋也ははじかれた様に後を追いかける。だが、恋愛勇者の姿は誰にも見えないらしい。恋也のみ見える彼の姿。
恋也は一番下まで降り、岩太と実花の姿を確認する。まだ生きている。岩太たちは恋也の姿を見て、手を振っている。恋也が近づこうと足を動かすと、昇降口が爆発したかの様に破壊する。
「=けっけっけっけ、ここには若い人間が多いな!=」
恋也は確信する。奴らはついに、本格的に
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