第6話 墨子(前編)
だが墨翟は
ある時、墨翟は
墨翟が部屋を
「柳先生、修理が終わりました」
「ああ、いつもすまないね、ありがとう。どうだい、学問の方は進んでいるかい?」
「はい、それが…、最近学問所には足が遠のいております」
柳下季は書簡から墨翟に視線を移すとこう言った。
「学問は自分一人でも出来る。何か分からないことがあったら、遠慮せずにいつでも私の所に来なさい」
柳下季は墨翟が儒家からいじめられていることを知っていた。いつも何とかしてやりたいと気にかけていたのだ。墨翟も、そんな柳下季の思いを痛いほど察していた。だからこんなに簡単な仕事でも自分を頼りにしてくれるのだ。
これこそ分け
「ありがとうございます。分からないことがあったら、いつでも参ります。
それより柳先生、大分お悩みのようですが…」
「ああ、これか。先日、
そう言うと、柳下季は頭を抱えた。
なるほど、柳先生の頭痛の種はあの
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