いつかの夕日

 山からこぼれるように日の光がおちた。

 たったそれだけの光景だったのに、今も僕の胸をつかんで離さない。

 心を焦がすような、それでいて別れの寂しさを感じるような。

 色々なものを内包していながら、美しく輝くその景色が、何よりも記憶に焼き付いていた。

 バスの心地よい振動に身を任せながら、窓の外に視線をやる。

 またあの夕日を見られることを願って。

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