進みすぎた文学
半ば煩悩を払われつつもテレビを消す。スチーム中の頭でなりつづける鐘を止めようとして、はっとした。無限を示した時計を投げ、車輪を急加速させる。首振り人形の母から注意されるのも明後日に、燃料を咀嚼することもなく流し込む。自分の身ぐるみをはぎつつ拘束を身に纏い、かかとへの凶器と化した革靴を履いた。
目の前の壁を押し開き、競馬場へと躍り出る。自分に鞭を振るわれながら、ただひたすらに短い跳躍を繰り返していると、どうにか牢の扉が開いている内にたどり着けたようだった。
「おぉい、島崎。後数分で遅刻だぞ」
「わかって、ます」
個人ロッカーに入らなければどちらにせよ腐ってしまうのだ。ここで一仕事終えたナマケモノになっていては意味が無い。
私はまた鞭を振るった。 半ば煩悩を払われつつもテレビを消す。スチーム中の頭で、なりつづける鐘を止めようとしてはっとした。無限を示した時計を投げ、車輪を急加速させる。首振り人形の母から注意されつつ、燃料を咀嚼することもなく流し込む。自分の身ぐるみをはぎつつ拘束を身に纏い、かかとへの凶器と化した革靴を履いた。
目の前の壁を押し開き、競馬場へと躍り出る。自分に鞭を振るわれながら、ただひたすらに短い跳躍を繰り返していると、どうにか牢の扉が開いている内にたどり着けたようだった。
「おぉい、島崎。後数分で遅刻だぞ」
「わかって、ます」
個人ロッカーに入らなければどちらにせよ腐ってしまうのだ。ここで一仕事終えたナマケモノになっていては意味が無い。
私はまた鞭を振るった。影法師を振り切らんとした結果、廃れた教会の鐘の音が聞こえなくなる頃には、自分の箱のなかにおさまっていた。
いびつなメトロノームな私なんて関係のないようなもので、あっさりと朝の礼拝はすまされた。今更ドアをはじいた者も居たようだが、そいつはもう旬遅れだ。まだまだケーキ上のネームプレートの名は撤回できそうにあるまい。まぁそんなドッグタグはこの鏡面に映るのみであるのだけれど。
そんな花畑を踏み荒らすように教育が施される。最初は主人の電話を待つ猫がごとしだったが、今となっては小粋なBGMとしか思えまい。グライダーは自分じゃ飛べないが、風があればどうにでもなる。結局エンジンの差なんて、技術の前では雑草を踏みつけてるも同然だ。
当然一級免許証持ちからすると、音源がなんであろうと関係ない。その上、私は音楽通なのだ。たかが六時間程度の独唱なら蚊が止まっていても合金となる。
後は指揮棒を振るうだけで里帰り。そうなればシェフは私だ。下準備をすませれば鉄板に滑るだけ。
機械的なプリンのような沈み方に身を任せれば、そこは崩壊後の世界なのだから。
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