灰を揺らして 『マルホランド・ドライブ』
【作品情報】
『マルホランド・ドライブ』 作者 片栗粉
https://kakuyomu.jp/works/1177354054902764102
【紹介文】
何が現実なのか。
何が虚構なのか。
私は今どこにいるのか。
私の頭はどうかしている。
生憎と生まれてこの方非喫煙者なもので、吸いたくて吸いたくて堪らなくなるという衝動さえようわからんのですが。ふとした拍子、煙草というものにやたら惹かれる瞬間がありまして。それは吸っている佇まいがニヒルだよねとかそういうことではなく、くゆる紫煙の先が何やら未知なる扉へと通じていそうだよね──とか、そんな
話は打って変わって、街を歩いていると転移ポータルめいた物体に遭遇することってありません(「ねーよ」と即答してしまった方はもっと外を出歩くか、想像力養ってどうぞ)?
ここではないどこかへ繋がっていると云いましょうか、何やらそれ自体が「ここで落ち合おう」とあの日異邦人と交わした約束の"標"みたく映ってしまうもの。
それは、たとえばドア部分が塗り込められ、庇だけが生き残った洋菓子店の外壁であったり、割れた点検窓からゴミをぎゅうぎゅうに詰め込まれた、今なお稼働中の配電函であったり、昭和からタイムスリップしたようなタバコの自販機であったり──。
そういえば、J. ミッチェルとR. リカード著『怪奇現象博物館―フェノメナ』にこんな記述がございまして。
「あまたの湖に潜むこれらの恐ろしい獣は、天地の実相を見抜いた魔術者が棲まわせたものだ。その職務は、英知の門を警護することである」と。
とどのつまり、ネス湖のネッシーをはじめとする海獣の類は、異世界に続く門を警護するためそこに配属されたのだというお話なのですが。
だとすると、タバコ屋のおばちゃんは扉の警護人で、コンドルのタトゥーはクラブの入場受付時に
私も、マルホランド・ハイウェイを爆走してやりたい。もちろんガードレールにブチ当たってクラッシュするまでがワンセットであると承知の上で。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます