第8話
エリスさんに辱めを受け、とりあえずの機能を試した所で気が付いた。
あれ、俺会社に連絡してない…
「やばいっ、どうしようっ。」
あたふたして、とりあえず着替えて行かなきゃ?いやでも、もう17時だよ?あれ?これ無断欠勤じゃない?
会社から連絡が来ているハズだから、スマホを確認しよう!
そこまで何とか考え、焦る気持ちを抑えてスマホを確認する。
「あれ?連絡ない?」
会社からもだが、上司からの連絡すらなかった。
「今日、平日だよな。」
実は休日で、自分が間違えて出勤しただけなのか。休日だったら良いな。と、淡い期待を胸にスマホを確認する。
「そうそう、言い忘れておりました。高橋さんがあちらに行っている間に、お勤め先には連絡させて頂きましたのでご安心下さい。」
「はい?今なんて?」
聞き間違いだよな。今、会社に連絡してあるって言った?
「詳細をお伝えしますね。まずお勤め先には、高橋さんの関係者という事で連絡を致しました。体調不良により出勤できる状況では無い為、本日は休暇を頂けないか。と、高橋さんの上司の方にお話し致しました。幸い本日が金曜日ですので、土日にゆっくりと休んでくれ。と言伝を預かっております。」
おーいぃ!関係者ってなんだよ!いや、関係者なんだろうけども!そもそも俺の関係者ってなんだよ!親族?!親戚のお姉さん?!いや、この場合、彼女だとか思われていそうだ!
会社行きたくねー!
でも、無断欠勤にならなかっただけ有り難い…のかな。
「有難うございます。とりあえずクビにはならなくて済みそうです。他の問題はありそうですけど。」
何て言い訳しよう。まぁ、今悩んでも仕方ないか。最悪「親戚」って事で推し通そう。
「落ち着いたところで、少々宜しいでしょうか。」
「はい、何でしょう。」
エリスさんの向かいにテーブルを挟んで座った。
「これからの事なのですが。まず、異世界からの召喚でしたので、本来であれば帰還は難しいはずなのですが、どういった事情かは分かりませんが高橋さんは帰還が許されています。」
そんな感じで、俺の置かれている状況と、今後の事について話した。
俺が帰って来れたのは特例らしい。つまり、本当ならあのまま地下牢で朽ちていたって事。そもそも異世界移動なんてスキルは見たことがないそうだ。そりゃ皆が自由に移動出来たら、召喚なんて必要ないもんな。
因みに、エリスさんも誰が何の為に召喚したのかは知らないらしい。というよりか、興味は無いらしい。
そう言えば、最初にあった時から事務的な対応だったもんな。
とはいえ、何だかんだで色々俺の為にやってくれてるんだよな。これはもしかして『ツンデレ』ってやつでしょうか。実はエリスさん、ヒロイン枠ですか?
「高橋さん。先に言っておきますが…デレはありませんから。」
「エリスさん、何で俺の考えてる事分かるんですか。絶対心を読んでますよね。」
「心が読めなくても分かります。」
とかいって、いつかデレるのを期待してますよ!
「…はぁ、前向きなのは評価致しますが、何をそんなに勘違いしているのか。仕方ないので、此処で回想シーンを入れましょう。」
「あの、エリスさん。誰に向かって話してるんです?」
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