第2話 問題点について整理
さて、では実際の問題点について整理してみましょう。
問題点1=「貧乏な子が風俗の仕事をすることを喜んでいるようにとれる」
ネット上で大勢を占めているのは、この部分でしょう。元記事の藤田氏の意見も、この点をとても強調されていたと思います。
もとの発言とは順序が前後しているのですが、要旨を書き出すと、
不況→生活苦からかわいい子が風俗で働きだす→嬉しい
という論旨がよろしくない、ということですね。
藤田氏の意見としては、この「生活苦からかわいい子が風俗で働きだす」の部分、これを「社会として容認してはならない」、「貧乏ゆえに風俗を選択」は、あってはならないこととして、「それを喜ばしいとは何事か!」ということで、かなりお怒りな感じです。その感情がそのまんま記事になってて、それが元で炎上してしまったわけです。
ただ、違法アップロードされたやつをYouTubeで聞いたんですが(ほかに手段がなかったので……)、その印象としては、岡村さんは「何も考えていない」という感じで、叩かれて戸惑っているんだろうな、と謝罪の言葉を聞いて感じました。
ただ、著名な人の発言は一定の影響力を持つので、やっぱり間違った認識を与えかねない発言については、社会がきちんと否定しないとダメだとは思うんです。
「貧乏ゆえに風俗を選択」は、やっぱり社会としてあってはならないと。それは、「本人の自由意志による選択」であるべき、なのです。
そして、間違った認識をメディアで広めたりしてはいけない、ということだと思います。
この点は、やっぱり岡村さんの今回の発言は、アウトだった、と思います。
問題点2=「女は金に困ったら風俗で働く、という決めつけのようにとれる」
これは、自分が女性なんで余計に気になったのかもしれません。
現代社会では多くの女性が、基本的に「セックス=好きな人とだけする特別な行為」として捉えていますから「女は金に困ったら風俗で働く? んなことするかい! ふざけんな! 困ったって風俗で働いたりするかっ!」となるでしょう。
しかし、上記の意見が実際に風俗で働いている人にとっては、「職業差別だ! 風俗を下に見ている」となるわけですね。
まさにこの問題の一番難しい部分だと思います。
なので、この対立の根本原因となる「セックス=好きな人とだけする」という概念がなぜ生まれるのかという理由については、この後の方のページでもうちょっと突っ込んで書いていく予定です。
問題点その3=「風俗で働くことを軽く捉えてる」
自分の感覚としては、「3か月くらい働いて、パッと辞めていく」という3か月という部分をかなり強調されているように感じて、なんだか「金に困ったら短期間で稼げるから、3か月間くらいなら大したことないから、やっちゃいなよ」的な感じで、とてもライトに捉えていると感じたんです。実は、この部分が自分は一番引っかかりました。
そんな簡単に選択することではないと思うんですよね、基本的に。
職業に貴賤なしと言っても、人には言いにくい仕事だし、後々悩むようになるかもしれない。(コロナ以外にも)感染症などのリスクもあるし、男性と個室で二人きりだと何されるかわからないという危険もある。「ちょっとお金ほしいから」「短期間なら」「不況だからしょうがない」と、簡単に考えてはいけないと思うんです。
あと、短期間でぱーっと稼ぐって発言、プライドを持って風俗の仕事しているプロの人にとって逆に失礼なんじゃあないかと。「こちとらプロ意識もってサービスしてるよ! 簡単な短期バイトみたいに扱うな」っていう感覚、ないんですかね。どうなんでしょう。
あ、ついでなので、あとちょっとだけ言わせてもらうと、個人的には、やたらと「かわいい子」「美人さん」を連発してたのがイラっとしました。
いや、わかりますよ? かわいい子がいいんでしょう。美人がね。当然です。風俗だし。せっかく金払ってるし。
でも、あからさまに「見た目で判断」な発言が普通にイラっときました。いや、あくまで、ただのブサイクな婆ぁの独り言です。これは気にしないでください。
さて、ここまで書いて「うーん、書いてて、やっぱり風俗業に反対みたいな感じになってきちゃったな」と自分で感じています。
まぁ、正直に言ってしまうと、個人的にはやっぱり自分でやりたくないし、例えば、自分に娘がいたとして(実際はいないけど)、風俗業はやらせたくないんですよ。
いろんな理由で。
そう、自分の中で、風俗業をなるべく避けた方がいいという、ちゃんとした理由があって、反対意見が出てきてしまうわけです。差別しているつもりはないのですが。
なので、次ページでは、その理由について書いていきたいと思います。
実際にセックスワーカーとして働いている方は、自分の仕事を否定される感じがして、不快に思われるかもしれません。なので、お母さんが、娘に反対する体で書いていきたいと思います。
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