セックスワークとフェミニズム

黒井真(くろいまこと)

第1話 岡村氏の発言について

――はじめに――


 まず、これを書きはじめたきっかけですが、いまだ炎上を続けている岡村さんのANNの発言について、きちんと論を立てずに自分も叩く側に回ったしまったので、その反省からこれを書いています。

 Yahoo!ニュースの元記事の藤田さんの肩書とか、肩書のあるジャーナリストのリツイという部分に引っかかって、最初、ファクトチェックを怠りました。ひたすら単純に信じ込んで、ヒスを起こしました。自分自身、反省すべき点と思っています。権威に弱いです。申し訳ありません。


 確かに、藤田さんの記事には彼の主観がかなり入っています。

 しかし、実際に聞いてみて、『』付きで引用されている岡村氏の発言そのものは、概ね記事の通りで、貧困を理由として風俗で働く女性が増える状況を喜ばしいと発言していた点は事実でした。


 ただ、聞いた印象としては、貶める意図はなかったが、無思慮ゆえに結果として貶めることになってしまった、ということではないかと思います。


 これは産業の構造としての違いがあるかと思います。

 アメリカ映画なんかの売春の描き方を見ていると、日本とは大きく違います。客と売り手は、個人間取引で、顔見知りだったりすることもあり、買う方の人も「事情があって、あるいはこの人の考え方があって、この仕事をしている」ということをどこかで理解しているんですね。人間として見ているんです。(もちろん、ひどい扱いをする男もいますが)


 ところが、日本だと完全に「お店の商品」として扱われていますよね。壁に写真並べて「どの子がいいでしょう?」と。

 以下は推測ですが、日本の風俗店は異常なまでのサービス精神で、「プロとして、ひたすらお客様に楽しんでいただくことを考えるのだ! 自分の事情なんか悟られたら負けだ!」って店が主張して、働く側の女の子もひたすらニコニコして明るくサービスしているから、お客さんからは、その「女の子側の事情」が見えにくくなっていると思うのですが、この辺りは実際に働いたわけではないのでわかりません。

 ただ、こういう点から、女性の心情や状況を考えない岡村氏の発言が生まれたのかなと推測します。


 さて、つらつら書きましたが、実際に、岡村氏の発言の何が問題点(と見なされている点)なのか、ちょっと色々な意見がネット上でも錯綜しているので、次のページで分類してみます。

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