第二話
この世界では、毎年6歳になった子たちを教会に集めて、神父から紙の寵愛をうけることができる。
それが審議の日である。
神からの寵愛によってあたえられるものとは、職業、スキル、加護の三つである。
職業には協会が決めた5段階のランクがありステータスにも影響する。そして、主に親の血筋を引くことが多い。
父が剣士、母が魔法使いだった場合、息子であれば剣士、娘であれば魔法使いである可能性が高くなる。そして貴族や階級の高い者たちは、ランクの高いものたち同士で結婚することが大半である。
なので、ランクが高いというのは今後の人生を左右するといっても過言ではない。
スキルとは、一人に対し平均的に2つほど与えられ、その一つは職業に沿った魔法である。
スキルには10段階のレベルと、スキル、職業スキル、ユニースキルの3種類があるある。
がある。またスキルに関しては、修行やレベルアップなどを行えば後天的に会得が可能である。
だが、ユニークは後天的に会得することは不可能である。なぜなら同じユニークスキルは、そのスキルを持っている人が死なない限り存在しないからである。正に唯一無二といえるだろう。
職業スキルはその名前のとおり、その職業のみが扱えるスキルであり、寵愛を受けた瞬間、付与される。
加護とは、いまだ解明されていないもののひとつである。
何を基準にあたえられているのか、またどれだけの加護が存在しているのかわからない。そして加護に関しては、寵愛を受けた本人しか確認することができない。
なので審議の際やステータスを記載するときに使用する神羊の紙には記載されないのである。
加護は、職業やスキルなどよりもあまり障害に影響しないのではないかと思うが、そうではない。加護は職業に依存しないのである。
職業が村人でも加護が、剣士系統であった場合、剣士として活動することが可能なのである。そして職業ランクが高く、ユニークスキル、そして系統にあった加護を持っていたとすれば、そのものはこの世界で伝説となりうる素質があるだろう。
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「どんな職業がもらえるだろう!たのしみだな-!ノアはどんな職業がほしい?」
「私は剣士がいいかな。お父さんとお母さんがどっちも剣士だし。アルトは?」
「僕は英雄かな!!!」
「聞くまででもなかったわね……」
この町では毎年30人ほど審議を受けていおり、それは今年もかわらなかった。
今は教会へと向かっている途中だ。
歩いていると、前から、青い髪の小柄な少女とアk紙の少年が歩いてきた。
「よお!アルトとノア久しぶりだな!」
「アルト君とノアちゃん久しぶり…!」
「ガランとリズ!久しぶり!君たちも来てたんだね」
ガランとリズは僕たちの幼馴染で、ガランはパパたちがいつも利用している鍛冶屋の息子で、リズはこの町で有名な魔法使い一家の娘だ。二人ともやはり親と同じ職業を望んでいるらしい。
「それでは、ただいまより審議を始める。」
神父の一言の後に色々な期待の声が周りから鳴り響く。
みんなこの日をそれほど待ち望んでいたということだろう。
「ではまず、ガラン・バイシオン。前に来て、神に祈りを捧げなさい」
「はい」
ガランが、教会の真ん中にある、神様の像に膝をつき祈りをささげると、ガランの周りが白く輝き始めた。
「では、ガランよ。そなたの右手をこの神羊の紙の上に置きなさい。」
ガランが右手を紙の上に置いた瞬間、文字が浮かび始めた。
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名前 ガラン・バイシオン
種族 人間
職業 鍛冶屋 ランク2
性別 男
レベル 1
体力E(0)
魔力E(0)
筋力D(0)
頑丈D(0)
敏捷E(0)
器用C(0)
知性E(0)
幸運D(0)
職業スキル
「装備加工」
スキル
火属性魔法Lv1 製作Lv2 作業効率Lv1 鍛冶Lv3
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「やった。これでやっとお父さんの仕事が手伝える!」
望んでいた職業が手に入り、とても喜んでいる様子だ。
それにスキルを3つもっているのは珍しい。
僕もガランの喜んでいる姿を見てとてもうれしいな
「次、リズ・ノースティア」
「はい。」
リズのステータスはこんな感じだ。
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名前 リズ・ノースティア
種族 人間
職業 賢者 ランク4
性別 女
レベル 1
体力D(0)
魔力S(+3000)
筋力D(0)
頑丈C(0)
敏捷D(0)
器用C(0)
知性A(0)
幸運B(0)
職業スキル
「無詠唱」 「魔力増強」 「全属性魔法」
スキル
火属性魔法Lv1 水属性魔法Lv1 風属性魔法Lv1 土属性魔法Lv1 魔術lv5
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「「おおおーーーーーー!!」」
周りの人たちが歓声を上げた。
Lv4というのは1万人に1人の確率であり、この国の中で唯一の学院であるであるシュバルト学院への特待生入学が確定する。そして賢者は、Lv4の中で1番の価値があるとされている。
賢者とは、魔法職の中で最もランクが高い職業であり、その他の魔法職と賢者では実力に大きな差が出る。その違いは、賢者のみがすべての属性の魔法を使えるという点である。
魔法とは、審議の日に与えられる属性以外は現状、取得不可能なのである。
理由は簡単、誰も取得方法がわからないのである。魔力をどれだけ込めようが、どれだけ詠唱しようが自分に与えられた属性以外発動することはない。
魔法はスキルではあるがスキルではない。
そのような言葉が実際に実在するぐらいであり、その認識は人々の常識である。
そしてLv4以上は1万人に1人の確率であり、この国の中で唯一の学院であるであるシュバルト学院への特待生入学が確定する。
「恥ずかしいよぉ……///」
リズも恥ずかしいながら、とてもうれしいみたいだ。今年はリズがこの町一番の職業の持ち主になるだろう。誰もがそう思っていた。
「ラ……ランク5!!!????」
僕たち全員が声がを出した神父のほうを見た
「え…ノア?」
「私なんかやっちゃった……?」
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名前 ノア・ヴァージニア
種族 人間
職業 竜騎士 ランク5
性別 女
レベル
体力A(0)
魔力B(0)
筋力S(+3000)
頑丈A(0)
敏捷A(0)
器用B(0)
知性C(0)
幸運B(0)
職業スキル
「竜騎乗」 「意思疎通」 「自動回復」 「筋力増強」「状態異常無効」
ユニークスキル
「絶対切断」
スキル
剣術Lv5 竜騎乗Lv1 風魔法Lv2
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竜騎士とは、あらゆる職業の中で1,2を争うほどランクが高いことで有名である。その職業に選ばれたものは、その時代の救世主となるとまで言われている。
この職業がランク5とされる理由は、唯一最大限にドラゴンを使役することができるという点である。
ドラゴンとはこの世界の魔物の中でも最上位に君臨する魔物であり、場所によれば信仰さえされているのである。ドラゴンを使役する唯一の方法は自分が強者であるとドラゴンに知らしめることである。その方法であれば竜騎士でなくとも使役できるのではないかと思うかもしれない。
しかしそもそもドラゴンに勝てるステータスを持つものが限りなく少なく、またドラゴンと意思疎通ができ、まるで自分の足のように扱うことができるという点で、竜騎士はほかの職業と一線を置いているのである。
そして英雄を目指すアルトの望んでいた職業の一つでもあった。
「ちょっと待って私、加護も持ってるんだけど……」
「ノアすごいな!まさかに竜騎士と加護も持ってるなんてよ!」
「ノアちゃんすごいよ!!それに一緒に学院に通えるね!」
「ちょ…ちょっと二人ともやめてよ…!」
普段はつんつんとした表情しか見せないノアだったが、この時ばかりはうれしさを隠しきれていないようだ。
「ねぇ!アルトはどうだった?」
ノアは振り返りアルトの表情を見た。そしてその顔はノアが今までに見たことない絶望しきった顔だった。
「ア…アルトどうしたの?」
そういってノアは、アルトの神羊の紙を覗いた。
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名前 アルト・ルーベンス
種族 人間
職業 鑑定士 ランク0
性別 男
レベル 1
体力E(0)
魔力E(0)
筋力E(0)
頑丈E(0)
敏捷E(0)
器用E(0)
知性E(0)
幸運E(0)
職業スキル
「鑑定眼」
ユニークスキル
「瞬間移動」 「言語理解」
スキル
アイテムボックスLv1 幸運上昇Lv1
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「嘘なんで……」
僕の職業はこの世界の秩序といわれる教会から必要なしといわれた唯一の職業
ランク0の「鑑定士」だった。
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