第1話 硝子の太陽

近くが視えない  人が多すぎる

見通しが悪い   空気が汚ない

横を塞がれた   策略も多い

だけど止まれない 直ぐに囲まれる


足元に僅かな日差し

そっと見上げるとガラスの太陽

ビルの間を擦り抜けて

窓に映ったガラスの太陽


誰か翼をくれないか

あの陽を浴びて飛びたいのさ

折れた翼でかまわない

そう遠くへは行かないから





今は悪くない   満足ではない

かなり歳だから  理由にならない

夢を失った    嘘を付いている

その勇気がない  真実に気付く


捕まえる微かな日差し

虚ろに支えるガラスの勇気

キツイ視線をくぐり抜け

確かに光ったガラスの勇気


誰か翼をくれないか

あの陽を浴びて飛びたいのさ

折れた翼でかまわない

そう遠くへは行かないから





朝 目が覚める   気分は良くない

カーテンを開ける 視界も良くない

新聞は観ない   情報を捨てる

急いで出かける  囲まれる前に


足元に僅かな日差し

強く見守るガラスの太陽

ビルの間を擦り抜けて

窓に映ったガラスの太陽


誰か翼はいらないか

その風を受けて飛べるかも

一度 使った翼だが

遠くへ行かずに済むはずだ

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