第197話 追う者追われる者(レッド視点)の件
とりあえずパンプローナに着いたわけだが………
コードネームC.C【クーエルキャット】は三名程の男達と行動を共にしている。
────こいつらの誰かが変装した博士の可能性があるわけだな。
見た感じは全員屈強な男達である。
全員白い服に赤いスカーフを巻いている。
俺も白いパンツにトレードマークの赤いシャツだからなんか被ってしまったみたいで嫌な感じだ。
………と言うか、なんかこの街は白いパンツに赤いスカーフやらシャツの奴が異常に多いんだが…………
少し離れたところで監視していたが、突然あいつらが走り出した。
────もしかして気づかれたか?
突然後ろからドンと男がぶつかってきた。
一瞬何が起こったかわからなかったが、振り返ると大勢の同じ格好をした男達が雪崩のように押し寄せてきた。
男達は皆吠えたり何かよく聞き取れない奇声を上げながら押し寄せてくる。
…………もしかして俺は罠にハメられたのか?
俺は押し寄せる男達に抵抗する為に身構える。
────だが、男達は俺には気を止めず走り抜ける。
…………?
何だよ?
俺は男達が来た方に目を向けた。
人の群れの向こうになにか見えた。
牛。
────う、牛ぃ?
俺は目を疑った。
数頭の牛が男達を踏み倒しながら突き進んでくる。
…………あ、男が吹き飛ばされた。
……………牛と目が合う。
牛は方向を変えて俺の方に突進してくる。
────牛って赤い物を見ると興奮するってなんか聞いたことあるよな。
…………やべぇ!俺真っ赤じゃん!
────俺は回れ右をして走り出した。
────俺にはそれからしばらくの記憶が無い。
なんか宙を舞った様な気がする。
気がついた時は服がボロボロの状態で道端で寝転がっていた。
────うん、もう帰ろう。
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