第196話 南国に咲いた土色の花の件(ピンク視点)
……………な、南国?
確かに日本よりは南よね。
ポルポル・プに言わせると、ここは南国になるのね。
────ここはコードネーム"地雷源の社長令嬢"を追いかけてやってきたアジアの某国。
────南国って言ったら海とか期待しちゃうじゃない!?
それなのに何よ?ここは海とか何百キロも離れてるし!
地平線まで荒野なんだけど!
ジャングルはあるし、猛獣注意って何!?
それにさっきから虫が凄いんだけど!
悪気が無いのはわかるけど、帰ったら南国の定義についてちゃんと教え込まなきゃだわ。
「ちゅどーん」
────あ、また爆発した。
レンタカーのジープの運転席から双眼鏡で確認する。
────あの女はなにが楽しくて地雷原を駆け回ってるのかしら。
────ていうか、何が悲しくて私は双眼鏡であの女を眺めてないといけないの?
あの女が走り回るとその後に発生する爆発が茶色い花の様に見える。
その度に溜息がでる。
博士のボディガードの可能性があるからって追いかけてきたけど、そもそも空港降りたときからあの女は単独行動なんだけど?
………完全にハズレよね。
とりあえず博士がT.O.F.U.と合流するのを阻止するって計画だったわよね。
博士の合流阻止って言うなら、せめて一人でも博士っぽい誰か同行者いるべきでしょ?
博士はどこ?
いくら博士が変装の名人でめ透明人間に変装は出来ないわよね?
何が悲しくてわたしは地雷原を異常なスピードで裸足で駆け回る異常者をマンウォッチングしなきゃいけないのよ。
さっきからあの女、キャッキャウフフと笑いながら地雷原踏んで楽しんでるわよね?
あれ、絶対に変態よ、ヘ・ン・タ・イ。
「ちゅどーん」
あ、また爆発した。
【
危ないのは
────って言うより、なんかあの女どんどんこっちに向かって走って来てない?
…………嫌な予感。
────あんなのと関わるの私は嫌よ!?
………私お家帰る!
エンジンをかけてハンドルを大きく切った。
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