第29話

今日は物理実験をしません。


遊園地に来ています。


次に見えてきたのは巨大なジェットコースターです。


車体が上がっていくたびにガタゴトと大きな音を立てます。


「なんで、ジェットコースターに乗るとふわっとうくの?」


「強いGがかかるから内臓が実際に浮くんだよ。エアタイムっていうんだよ。」


「なんで、内臓だけがうくの?全身が浮いたら、あのふわっていうのはなくなるの?」


「体も浮いてるよ。だけどバーで固定されてるから内臓のほうが体よりも浮いちゃうってだけ。だから、全身がういたら浮遊感は感じても気持ち悪くなる感じはないんじゃないかな。」


「じゃあ、あのジェットコースターは腰部分だけの固定で、肩の部分の固定は外してるっていうのが恐怖をあおるって売ってるけど逆効果なんだね。」


「そうなんだよね。でもさ、結局、怖いものは怖いんだよね。」


「乗ってなくてもなんか今日はふわふわしてるんだ。」


「うん。結構それだけで十分な気がする。」

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