第7話
〇
雪、というものが好きらしかった。鹿野さんは子供がするような
公園のベンチは雪に
「ごめん」
今さらこんなことを言うなんて、本当に勇気がないやつだなあ。
しかし、口に出してみると、体の中の
鹿野さんはというと、ピクリとも
一歩、鹿野さんがこちらに近づいた。サクッという雪が
サクッ、サクッ、サクッ。
見れば、すぐ目と鼻の先に鹿野さんの顔があった。鹿野さんは、
その意味が分からず、困った顔していると、
「ううっ」
お
腹パンだ。
「これで、許す」
お
「なんだよ、泣くなよ」
これにはさすがに鹿野さんも心配してくれた。
〇
三年間分の話したいことが、
「クララ、本当に大きくなったね」
「うん、二年間ですごいデブになっちゃったんだ」
「ははっ、確かに」
クララは不服といった様子で、
「きゃっ」
クララが
「ちょっと、どうしてくれんの?」
ガチ目で
「服、
「やらしい」
「いや! 別にいやらしい意味とかなくて。ほんとに、それだけなんだよ」
「ほんとに?」
「うん、ホント、ホント。
「それはそれで
「あ、いや。気にならないといえばうそになるんだけど」
そこで、鹿野さんが笑った。つられて
「それに、見せたいものがたくさんたまっちゃったからさ。家でゆっくり見たいな、なんてさ」
ホント、クララ様様だな。
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