第2話「見知らぬ草原にて」

「……ここは?」


 刺すような目の痛みで俺は意識から目覚めた。


 映り込んできた景色は妙に高い空に、旋回するように飛んでいる鳥のシルエット。俺は不思議に思い首を振って周囲を確認すると、見慣れない草原が果てしなく広がっていた。


 どうやら僕は大の字で寝転んでいるらしい。え、うつ伏せに倒れたはずでは?


(どこだ……ここ)


 とりあえず起き上がってみるが、ここがどこかはわからない。少なくとも通学路ではないようだ。住んでいるところではこんな景色は見れないし、遠くに見える山脈は現実感が全くない。だって真っ赤だから、原色に近いレッドだから。


(そういえば……)


 俺は思い出した、意識を失う前の不思議な現象を。


「あれはいったい……」


 答えを探そうと頭を回転させてみるが、浮かぶ可能性は荒唐無稽なものばかり。頭を抱えるほど現実感がない。


 そうだ、これはきっと夢に違いない。ならば--


「ス、ステータス……」


 俺はあまりの醜態に両手で頭を抱え込んで発狂してしまう。


(全くどうかしてるぜ俺!!)


 なんて間抜けなことをしているんだ俺は。いくら夢だからってそいつは無い、現実じゃないけどリアルを見ようぜ全く……ああ落ち着け落ち着け俺。俺は強くはないが強い子じゃないか、やればできる子頑張る子。


 そんな苦悩から上昇した時、ふと視界に入った。妙なものが−−


「……こ、これは」


 よく知っているが肉眼で初めて見た。ステータス画面だ、これって−−え?


「なんだこの数値……」


 全部1桁でレベルは1。嘘、俺のステータス低すぎなんじゃ……


(いや待て待て、まだ低いかどうかは分からない絶望するにはまだ早い)


 でもこれは低い気がする。だってこれもっと桁が表示できそうだもん、この空白地帯は絶対に千とか万とかまで対応してそうだもん−−って


(なにマジになってるんだ俺……)

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