物語の創り方6~世界の構築③

 前回は物語世界の核となるエピソード、「天地創造の物語」を考える。というお話をしました。こうすると、いわゆる異世界を創り出すための土台ができるわけですね。

 土台ができたのですから、次はいよいよ登場人物たちの生きる世界、いよいよその詳細を創り上げていく! と進んでいきたいわけなんですが、まだそこまでいきません。いや、深く繋がってはいますよ? では、今度はどんなことを考えておけばいいか。それはズバリ、「歴史」です。


 私たちが暮らしている現実世界のことを考えてみると、とてもわかりやすいと思います。私たちの今は、過去(歴史)があってのことです。過去(歴史)なくして今は説明できません。

 仮に日本という国についてくわしく説明しようと思ったら、過去に起きた大きな事件や出来事について触れますよね? 入試や就職試験なんかで自分のことを知ってもらうときも、経歴について話しますよね?

 つまり今があるのは、過去があるから。昨今の社会情勢を例に出すと、人類はいつの時代も病原菌やウイルス、病気といった恐怖と戦い続けてきた、そのおかげでここまで医療が発達してきたわけです。現在の医療を語るうえでも歴史は欠かせません。 


 物語の世界にも、長く積み重ねられてきた歴史があれば、その世界観はより強固なものになると思いませんか? 事実の重みが違うというか、確かな息遣いさえ感じてきそうですよね? 

 歴史が大事というのはわかった、わかっていただけた、ということを前提に話を進めていきます。では、いったいどの分野を、どこまで掘り下げていけばいいのか。正直、少し考えてみただけでも気が遠くなりそうな話です。

 さっき話した医療の話しひとつとってみてもそうです。その世界には、どのような治療体制が整っているのか。あまり見かけないと思いませんか、「病院」。もちろん、魔法で治してしまうような世界に病院があるとは思いませんし、必要ないといえばそれまでですが、それにしてもある程度の治療体制は整っている必要があると思うのです。魔法+病院で「魔院」とか。これはこれで意味が違ってしまいそうですけどね笑 この辺ハリーポッターはさすがで、名前は忘れましたが、ちゃんと魔法の病院が存在していました(マンドラコ聖なんとか、だったかな……)。


 物語の世界をより強固にするための歴史、それらを創り上げる方法として私がおすすめするのが「現実世界の歴史を踏襲すること」です。単に自分で考えるのが面倒くさいから真似をする、というわけではもちろんありません、ちゃんと理由があります。

 たとえ異世界での物語であろうと、そこに登場する人物たちは、限りになく私たちに近い存在として描写されることが多いです。もちろん例外的な作品はいくつあるとは思いますが(特にSF)、読者に感情移入してもらうためには、より身近な存在として描かなければいけないので、自然とそうなるのだと思います。人類によく似ているというのであれば、歩んできた歴史も自然と似ているはずだ、というのはごく自然な流れだと思います。特に戦争なんかわかりやすいと思います、よく異世界でも国と国とが熾烈な覇権争いをしていますよね。私の作品でももちろんそのようなことが起きています笑


 異世界での登場人物たちは、たとえ設定上違ってはいても、限りなく私たちとよく似た存在である。このことが理解できれば、ことにも抵抗はなくなるのではないでしょうか。それどころか、とてもリアリティ溢れる世界の構築が可能になると思います。なぜなら、私のような薄っぺらい知識で一から考えなくても、歴史の教科書させ開けば、あるいは広くググってみれば、そこには歴然とした歴史世界が広がっていますから。


 いやちょっと待って、一から自分で考えなくてもいいのはわかったけど、いろいろな国や分野にそれぞれ膨大な歴史があるのに、その中の何を、どんな形で参考にして世界を構築していけばいいの!? ってなりますよね。


 まずは今日のまとめです。「物語の世界(異世界)を現実味溢れる強固なものとするためには、現実世界の歴史をもとに異世界の今を考えてみよう」


 次回は、どの分野の、どんな歴史を、どんな形で異世界に生かしていけばいいのか、という話をしたいと思います。


 あ、毎回さも本当のことであるかのように書いちゃっていますが、一応断っておきます。これはあくまで、私個人の感想、意見、方法でしかありません!笑



 



















 


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