小説家という夢

 いつの頃からか漠然と思い描くようになった「小説家」という夢。私の場合、おそらく小学生の頃からだったと思います。きっかけはたぶん、親に連れていってもらった図書館、だと思います。たくさんの児童書が、私の本に対する興味関心を育ててくれたのではないかな、と思います。


 最初はただ純粋に物語としておもしろさを楽しんでいたはずが、いつしか自分の手で書いてみたいと思うようになる。この境目は、いったいどこにあるんでしょう。いち読者として楽しむことさえできていれば、これほど産みの苦しみを味わうこともなく、もっと違う趣味や楽しみに没頭できていたかもしれない。良くも悪くも、小説家なんて夢を見なければ、今とは違う生活を送っていたかもしれない。ふと、そんなことを考えました。でも、今の生活がその夢の果てに成り立つものであるならば、私は小説家を夢見た幼いころの自分に感謝したいと思うのです。


 児童書をきっかけとして、年代ごとにさまざまな本に触れられたおかげで、今までどれだけ多くのことを学んできたか。小説を書くという作業、試行錯誤を重ねてきたおかげで、どれだけ文章能力が身についてきたか。それらの知識や技術は、私の人生をより素晴らしい方向へと変えてくれました。そして小説家という夢は、人生で最もつらかった社会人時代を乗り越える原動力にもなってくれました。それがたとえ現実逃避といわようと、辞めずに投げ出さすにきたことが、今の自分へと繋がってくれました。


 この職業を夢見たことによって、今とても充実した人生を歩めています。この道の先がどこへ続くかはわかりません。ただ、夢を見続ける、目標を持ち続けるということは、もしかすると、中途半端に叶えてしまうことよりも、ずっと大切なことなんじゃないかという気がした今日この頃でした。


 雑文にお付き合いいただき、ありがとうございました。





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