第5話 姉さん

「さぁ?(笑)」


果たして、彼はどこまで知っているのでしょうか。別にいやらしいことはしていませんが、なんだか少し怖くなってきました。


「あの、ところで思ったんですけど、なんで僕に対して敬語なんですか?」

「え、いや、なんとなくですけど……」

「僕、年下なんでタメ口で良いですよ、全然」

「分かりました、あ、じゃなくて……わかった」

「そっちの方が良いですね」

「あの、私に対してもタメ口で良いよ?」

「いえ、それはダメです。あなたのことはチル姉さんって呼びますね」

「チル、姉さっっ!?」

「あはは、めっちゃ驚いてる」


そう言って子供のように無邪気に笑う彼に私の心は、音を立てるのが止まらないのでした。


「あの、少しの間だけ、ここにいてもいいですか」

「……うん」


こうして、礼儀正しくて、たまに子供のような無邪気な一面を見せるスタンプの男の子との同居生活が始まったのでした。

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