第2話 いつものユメ
僕は夢から目を覚ました。
身体中が汗ばんでいる。悪夢の後はいつもこうだ。だが慣れてしまった僕にはなんてことはない。風邪をひかないように、そばに置いていたタオルで顔やからだを拭った。
これで一体何回目だろ。いや、何日目だろうか?僕がこうして毎晩同じ夢を見るのは。
-そう言えば……今日の夢は少し違ったな。誰かの声がした気がする。
時計を見るとまだ3時半をすぎた頃だった。もう一度眠りつく。夢はまた始まる。
小さな僕は、母に謝り続けている。
母は僕を責め、泣き続けている。
あんたさえいなければ。あんたがいなければ。あんたなんて。お前の顔が醜い。居なくなってしまえばいい。
母と父は愛し合っていた。僕にはわかる。だが、父は僕を愛していなかった。だから父は僕を疎ましがり出ていってしまったのだ。
母は年々成長し、父の顔つきに似てきた僕を嫌った。
いいんだ、これは悪夢。僕のほんの一部。昔の僕の話。今の僕には関係ない。
心労が祟った母は病に倒れて3年ほど前に死んでしまった。それから悪夢を見るようになり、今は毎日繰り返される。きっと今も僕を恨んでいるのだろう。
「あんたさえいなければ」そういって母はまた僕の首に手をかけた。
苦しい事はない。夢なのだから。
ねぇ?助けてほしい……助けてほしい?、、、痛い…苦しい。怖い?
突如聞こえた声に「だれだ!だれ!僕の夢の中に…どうして?……僕は…怖くない。苦しくない。痛く………………」
僕は息苦しさを感じた。これは夢だ…。いつもと同じ夢だ。苦しいわけがない……だけど痛い。胸が苦しい。ツライ、ツライ!!
僕は再び目を覚ました。
夢喰い(仮) まだ名前が無い鳥 @ugly-duckling
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。夢喰い(仮)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。