第陸章  花嫁乱心の変 後片付け編〜天上界へ強制転移〜

 番外編の設定が出てます。


 混乱を避けるために前述します。


 本作の主人公は、忍者なので登場人物の半数は『名探偵コナン』の『安室透』のようなトリプルフェイスです。



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【妖狐族】の若い【妖狐】とその【花嫁】が起こした【茨木童子の】殺害未遂事件は、【花嫁乱心の変】と名付けられ『己の領分をわきまえよ』という教訓として悠久に語り継がれることになる。


【乱心花嫁】を制圧して【資格】を剥奪したきのえが、またひとつ増えた。


【神女覚醒】のいきさつについては、『死にかけたから覚醒した』と言い、しかしそれは【茨木童子の末裔すえ】の【つがい】として四六時中、玲鵺れいやの【分体】が護衛に付いて【チャクラ】を吸収し続けていた麻衣那あいなだからこそ、【覚醒】という最良の結果になったと説明した。


【人間】側の反応は、落胆と表面上は諦めているように見せている者との五分五分といった所だ。【古族】側は、子が生まれにくいというネックポイントを抱えている以上、試す馬鹿はいないだろう。


【神女殺害未遂】の【実行犯】の狐月こげつに、殴りかかった【人間】の若い女がいた。【猫叉ねこまた族】の若い【猫叉】が羽交い締めにして止めていたので、おそらく麻衣那の幼馴染みの【猫叉】とその【花嫁】だろう。昴は、「あれ、梓2号機だな」と言いながらちょっと膝をガクガクさせていた。


【猫叉族】は、【古族】最弱と言われる弱小一族なので、【天上人】のような【妖狐族】に喧嘩を売ったと潰される心配をしていたが、葛葉が【猫叉族】の【奴隷】に堕とすのも悪くない、と狐月に対する暴力行為は見ていなかったことにし、【猫叉族】に【奴隷狐月】をゴリ押しする交渉をはじめに手伝えと言っていた。最下位の【猫叉族】の【奴隷】は【死】より堪えるだろうから一考の余地はあると、朔は候補のひとつに入れておく。


【神女殺害教唆】の愛美理は、【Ω異能力】の【ヒート】を利用して異性を籠絡する【術】を使うことが判明したので、処遇に困った所へ将成が【夜狩省よがりしょう】で預かると提案した。


 そして現在、【幽界かくりょ】の世界に、はじめすばる忍武しのぶ影連かげつらきのえ将成まさなりおみたすく葛葉くずは朱貍しゅり律鹿りっかは【召喚】された。


 朔「ここはどこだ?」


 いきなり足元に【召喚陣】が展開され、退避する間もなく【強制転移】させられた。


 影連「【幽界】じゃな。来るのは何十年ぶりかのう」


 影連は、以前にも来たことがあるようで冷静だ。その様子から危険な場所ではないとみて良いだろう。


 甲「【秩序の間】だね。ここに来れるのは、『選ばれし者』だけだからね………【人間界】で自慢してドヤれるよ」


 予想通りだが、甲も来たことがあるようだ。若干【厨二】っぽい言葉があったが観光気分で余裕がある。


 甲が口にした【秩序の間】というのがこの【空間】の名称だろう。簡素で余計な物がないただっ広い部屋だった。出入り口がなく壁と天井が果てしなく伸びているので、部屋と呼んでいいのか不明だが。


『ようこそ。貴方がたを私のさせていただきました』


 女性の声が告げる。優しげだが意志の強さを感じる声だ。同時に、天から女性が降って来た。


 音もなくフワリと軽やかに着地した人物は、直視できない神々しい【オーラ】を纏っているので、顔がよく見えないが絶対に美人と根拠のない確信がある女性だ。


『影連、甲、久方ぶりです。【闇神・カオス】と闘った時以来ですね』


 朔は、【闇神・カオス】と闘ったの言葉に、それは【起源の大戦】のことなのでは、と思った。1年か2年ぶりに再会したかのように言ってるが、【起源の大戦】は100年以上前の話だ。声の人物は、歳月の感覚がオカシイ人だと予想できた。いや、そもそも【人間】ではないだろう。【闇神】の名が挙がったので、それに近いか同等の存在で間違いない。


 影連「【コスモス】様、150年ぶりぐらいですぞ。1〜2年ぶりに再会したような言い方する歳月ではありませぬな」


【光神・コスモス】がこの部屋の主で、【強制召喚】した【人物】否、【亜神あしん】だった。


【コスモス】は、【人間界】の時間は早いだの言われて見れば影連がちょっと老けた気がする等、世間話をする。


 甲「【コスモス】様、影連さんと私、夫婦になりました。連れ添ってから有に100年以上たちました。孫もいますよ!」


 そう言って、甲は朔の腕を強引に引いて自分の横に立たせた。


【コスモス】は、「ほおー…影連と甲の孫」と朔を遠慮なく眺めて、おやっとつぶやく。


 コスモス「この子………【雷神・鬼童丸きどうまる】の子・紅蓮ぐれんじゃありませんか!」


 流石ですね朔の1つ前の【前世】が見破られました、と甲は言って【転生戦士】は【魂魄】に【マーキング】があるのでそれで判断したのか、と聞いているが答えは至ってシンプルだった。


 コスモス「顔が………紅蓮そのものですね。もう、クローンかっ!てぐらい」


 マジで【五代目小太郎紅蓮】と同じ顔なんだ、と衝撃の事実を朔は知った。


 昴「朔さん、ホントに【神の子】だったんだ」


 ホントにとはどういう意味だカタリと思っていたのか、と朔が問いつめると昴は桂のような浮世離れした雰囲気だとそれっぽいと返す。この言葉のチョイスが良かったのか、【亜神】の御前で喧嘩はみっともないと自重したのか、恒例行事のような口論にはならなかった。


 甲「コスモス様、【夜狩省】のトップと【鬼道衆】のツートップ、ついでに昴殿下が消えた………というのは【日本】では大騒ぎになりますよ」


 甲が、昴をと言ったのは意趣返しのようなものだ。


 昴は、あのおばあちゃん苦手、とつぶやいている。甲の孫のあきらあずさの兄妹と昴は幼馴染みなので子供の頃は、イタズラをしては叱られていたのでかなり苦手意識が強い。


 臣からは、完全にお前が悪い、と言われ味方になってもらえない。


 コスモス「【人間界】の時間を。貴方がたが戻るまで動きません」


 甲「ということは、他の【亜神】の方も巻き込みましたか」


 耳ざとく聞きとがめて、追求する。甲は相手が【亜神】でも強気を崩さない。


 コスモス「時間は………【生神せいしん】と【死神ししん】に止めてもらってます。彼女たちの得意分野ですから、私がするより確実なんですよ!」


 あっさりと他力本願を暴露して力説する【光神】に一抹の不安を覚える。


 影連「わかり申した………それで、時間を止める手間までかけて儂らに何用ですか?」


 影連の言葉に若干トゲが含まれているのは気のせいではないだろう。


「それは、私たちからお話し致します」


 別の女性の声がして、いつの間にか新たに2名が入室していた。ここにいるということは【コスモス】に【召喚】されたということか。


 いかにもお堅い職業を予想させるスリーピース姿の男女だが、臣と匡が【神通力】を感じると言っているので【上位存在】に違いない。【鬼道衆】のツートップの【霊査能力】だ。信頼に値する。


 コスモス「シンくん、ヴァールちゃん、呼ぶまで出てこないでって言ったじゃないですか!」


 親しげに呼んでいるので【コスモス】とは近しい仲のようだ。


 シン「お前の世間話が長引きそうだから、我たちが出てきたのだ」


【シン】と呼ばれた男性は、【コスモス】を熟知しているようだ。放置していたら、話の終わりが見えないことをよく理解している。


 ヴァール「私たちの存在は、【影】。堂々と対面できないから、君に場を提供してもらったのだよ」


 いつまでも待たせないでくれたまえ。【ヴァール】と呼ばれた女性は、男装の麗人っぽい見た目を裏切らない言葉遣いだ。


 影連「【国連】の【影】の代表が自ら何用ですか?」


 影連は、両名を知っているようだ。


【国連】に【影の組織】が存在するという噂は、まことしやかに囁かれている。


 ここに【召喚】された全員、その【影の組織】に直接または間接的に関わりがある。しかし、影連以外は【影の組織】のトップが誰であるか知らなかった。


 シン「影連、先にを言ってはいけないじゃないか」


 注意はしているが、説明の手間が省けたと思っているのだろう。語気が結構穏やかだ。


 ヴァール「【大アルカナ】の【ザ・サン】と【ザ・ムーン】が気づいているようだが、私たちは【亜神】だ」


【国連】の【影の組織】は【タロットカード】を【コードネーム】に使用している。【大アルカナ】と【小アルカナ】が【コードネーム】に割り当てられているが、【小アルカナ】は【トランプ】で呼ばれる。


【ザ・サン】は臣の【ザ・ムーン】は匡の【コードネーム】だ。【大アルカナ】のに席を置く者だ。【タロットカード】の【大アルカナ】は22枚だが、【ラバーズ恋人】が複数形で2人1組なので枠が23人となっている。


【国連】の【影の組織】のメンバーであることが世間に知られているのは──────────知られていては【影】にならないのだが──────────将成、臣、匡の3名だ。【夜狩省】トップや【鬼道衆】ツートップの立場なら暴露しておいたほうがが付いて何かと都合が良いので、【大アルカナ】に昇進を果たした時にカミングアウトした。因みに、将成は【ジャスティス】だ。


 将成「【風魔総帥】殿は………もしや、【ザ・ワールド】か?」


【影の組織】なので、メンバー同士でも【コードネーム】を秘匿したり、所属する者の顔ぶれは公開されていない。故にこの質問に影連が答える義務はない。


 影連「儂は、【ジャッジメント】じゃ」


 影連は、あっさり白状したがこれが事実か虚言かは調べようがない。


 だが、事実と確信が持てた。【コードネーム】だが、【大アルカナ】のスート絵柄の意味を知れば、影連が【ジャッジメント】の【コードネーム】を与えられているのは納得だ。【起源の大戦】の最中に、腐敗した【国会】を誅し伊勢龍雲いせりゅううんの才覚を見出して、彼を【国王】に据え【日本】を【国王制】に変革してさせる【革命】を成功させた結果を見れば、影連ほどこの【コードネーム】にふさわしい者はいない。


 臣と匡は、違うのかとガッカリしている。アテが外れたという感じだ。


 臣「の【ザ・ワールド】は、世界最強の男だと思っていたのだが………」


 匡「じゃねえのか?他は考えられん!」


 どうやら、臣と匡の中では影連が世界最強らしい。


 影連「お主らは何をを言うておるのじゃ?儂はもう高齢ぞ。持久戦に持ち込まれたら途中でバテて、ひっくり返ったまま起き上がれん!」


 こういうこと言う人に限って、実際は違うんだよなと将成は聞き耳を立てながら考えた。余人を交えず盗聴の心配もない場なので、ほぼ嘘はつかれないだろうと見ての質問だったが、影連の答えが期待と違っていた。


【タロットカード】の【ザ・ワールド世界】のカードは、【おみくじ】で言えば【大吉】に当たる最高にして最強だ。当然、その【コードネーム】を与えられた人物もそうであるはずだが。将成の知る限りで世界最強の男は違っていた。


 甲「お前さんたち、【ザ・ワールド】を探しているのかい?」


 知ってどうするのかと甲は言った。


 甲「そもそも、【大アルカナ】同士はほとんどが素性を隠しているじゃないか!ここにいる朔も【チャリオット】だと隠して【警察】に潜り込んでるんだからね」


 朔「今、隠し事がバレたよ」


 甲が、ワザとかウッカリか朔も【大アルカナ】の1人だとバラしてしまったが、朔も隠しておく必要を感じなかったので白状した。


 将成/臣/匡「「「はあぁ!!!」」」 


 シン「事実だ。我はトップだから、【大アルカナ】【小アルカナトランプ】全員を把握しておるぞ」


 表情筋に動きはないが、左右の腰に手を当てたドヤっているとわかる所作である。


 そして、もう1つの事実も追求するべきことだと話題を変えた。


 将成「貴方がたが【亜神】とはどういうことですか?そもそも、【亜神】は12柱のはずでは?」


 影連「儂も、【影の組織】のトップの顔と夫妻であること、【人間】ではない【上位存在】であるのはわかっておったが【亜神】とは初耳じゃ」


 将成に比べると動揺していない分、冷静に見えるが影連も納得しかねる部分はあるようだ。


 ヴァール「私たちがだと調査済みか。遙に調べさせたかな?アレは【小アルカナトランプ】の【スートリーダー】では収まりきらん有能だ」


 遙が【影の組織】の一員であることは確信できていた──────────むしろ無関係なほうが違和感がある──────────が、【小アルカナ】というのは意外だ。だが【スートリーダー】という立場は【小アルカナ】の4種類の【スート】別に分けられた【チーム】のトップなので、【大アルカナ】に【空席】があればそこに入る資格がある。


 シン「自身たちの恥を明かすが、調べられていることに全く気づかなかった。本人の拒否がなければ、とっくに【大アルカナ】に昇進している」


【シン】の言葉から、遙が打診を受けたものの断ったことが判明した。文字通り『神を欺く所業』をした遙だが、褒められているので怒りを買ったことにはならないだろう。


 ヴァール「断った理由が、『小が大を食ったらオモシロイ』だぞ。既に理由がオモシロイではないか」


 理由を聞いて遙らしいと一同が納得したが、同時にどこまで性格が歪んでいるのかと呆れもした。


 シン「【ザ・ワールド】か………知りたい理由は?」


 理由ぐらいは聞いてやるといった口ぶりだ。


 将成「どこぞの【ハイプリエステス女教皇】のように、私利私欲に権限を使う人物ではない、と確認したいだけです」


 なるほど、と【シン】は理由に納得した。


 ヴァール「あのは最終的には処分するが………【人間】の世界には『毒持って毒を制す』という言葉があるだろう。今は、煮ても焼いても食えんを手なづけるのに役立っている」


 葉に衣着せぬモノ言いにはスカッとするが、言葉遣いの悪い【女性神】にどこか既視感を覚える。


 シン「最強の【ザ・ワールド】がでは目も当てられんから知りたい………ということか」


【シン】は、考えながら影連を見る。それは、視線を巡らせた先がそこだったのか、影連に許可を求めたのか、どちらとも取れる。


 影連「【ザ・ワールド】は、陵影璽みささぎえいじ………儂の父上じゃ」


 人間性は父としては見習いたくないが、人間的には『悪人』ではないと影連は付け加える。


 臣「【風魔総帥】のお父上ですか………200才近いですよね………」


 驚きから我ながら間抜けな問いだと思うが、影連の父親が生きているとすれば【超越の者】ということになる。見習いたくないというのは気になるが、聞いてはいけないことと空気を読んで聞き流した。


 影連「儂も詳しくは知らぬな………父上は100才を超えたあたりから、己が年齢を数えるのをやめておる」


【超越の者】は加齢が止まるので、年齢を数えなくなるというのはよく聞く話だ。もしも、自身の年齢が知りたくなったら【鑑定スキル】を持つ者に【鑑定】してもらえば済むので、結構適当になっている。


 影連「【ザ・ワールド】は【大アルカナ】の纏め役………気づいておらぬだけで皆、顔は知っておるはずじゃ」


【指令】を出して来る人物、あれが【ザ・ワールド】だと影連は言った。


 朔「ええっ!じゃあ………リモートで【指令】出して来たオッサン………曾祖父様だったのかよ!」


 朔の【コードネーム・チャリオット戦車】は【機動性】を意味する。速攻で片付けたい案件は、表の職業が刑事の朔に振られて来る。


 将成「俺たちは、そうとは知らずに【指令】を受けていたのか………」


夜狩省よがりしょう】のトップである将成は、朔と同じくらい【指令任務】をこなしているだろう。もっとも将成の場合は、【ギルド】の依頼にできるので1番酷使されているのは朔だろう。


 葛葉「ヌシ様よ………【宴】に参加した理由は、【指令】とやらが出されたからかのう?」


 実は、朔は【指令】があって、急遽【宴】に参加しなければならなくなった。そこで葛葉という【人脈コネ】を使って【宴】に参加していたのであった。


 朔「そうだよ………しかし俺、【ミッション】失敗だな」


 麻衣那あいなを危険に晒しただけでなく、最後は甲に持って行かれた。


 シン「【人間】の言葉に『終わり良ければすべて良し』というのがあるだろう。今回は、不問にしておこう」


 瀕死の重症から【神女覚醒】に至ったので、今回は特別に【ミッション完了】にしてもらえた。


 シン「【妖狐】の【元花嫁】は【七つの大罪】をフルコンプリートしていた。【人間】には必ず備わっている【ごう】だが………7つ全ては備えすぎだ」


 備えすぎという言い方も妙だが、一同はという解釈をした。


 シン「まだ我の【神の名】を言ってなかったな………我は【元亜神・悪神】今は【現神うつしよがみ・悪神】。【罪】の概念が【権能】だ」


 ヴァール「私は【元亜神・善神】同じく【現神・善神】。【徳】の概念が【権能】」


【神の名】から見て、【悪神】と【善神】は【ニ柱一対】だ。概念は【名】とは異なるようだ。


 コスモス「シンくんとヴァールちゃんは、私と同じ【原初の亜神】なんですよ」


【光神・コスモス】は【原初の亜神】なので、3柱の話し方から──────────『最古参』の【光神】は他の【亜神】からは敬意を払われている──────────そうではないかと予想できていた。


【シン】と【ヴァール】は、【人間界】に【亜神】が誕生したら【天上界】へして、自身たちが【人間界】へ降下し【現神】を名乗る計画をしていたと言う。


 シン「【天上界】が嫌というわけではなかったが、我らの【加護】を受けた者たちにが多すぎる!故に、我らはその責を負わねばならん!」


【天上界】で悠長に【下界】を眺めている呑気は許されないのだ、と【シン】はけっこう生真面目な性格のようだ。


【人間】の意見としては、【神】から受けた【加護】の使はその人次第で責任もその人にある。【人間】にはを得た時、善行に使う者と悪行に使う者とに分かれる。どちらか一方──────────推奨するなら善行だが──────────に偏ることがない。


 ヴァール「そこで、私たちが目星を付けた【組織】が多数の【国】が加盟している【国連】だ。ここに【影の組織・ゼロ機関】を作り、に私たちの手伝いをしてもらうことにしたのだよ」


 基本は、使流れで【任務】をこなしてもらう【スタイル】なので、【0機関】の【任務】が本業でないのが望ましいことからバラエティに富んだ面子が揃った。


【シン】と【ヴァール】は、【人間】の【遺伝】というものの理解が浅かったのだと猛省した。最初に【加護】を受けた者は、理想通りに動いてくれた。しかし、その子または子の子、子の孫と【世代】を後続させるのが【人間】の特徴だ。【亜神】は基本【不死】で、例外もあるが子を作らないので親と子とはという基本を忘れていた。親が善人だから子も善人とは限らない。『鳶が鷹を生む』という凡庸な親から天才が生まれることもあるが、クローンのように同じ【人間】にはならないのだ。


 将成「メンツに【忍】が多いのは、潜り込む能力の高さを買って、ですか」


 将成は、【日本人】特に【忍】の割合が多いことに気づいた。かくいう将成も全ての【忍】の【源流】である【楠木流】の【忍】だ。


 シン「【風神】と【雷神】が【天罰】を受けて【人間】になっていた頃に【忍】をしていたので、詳しい話を聞いて実に適応力が高いだと興味が沸いた」


【風神】と【雷神】が【人間】に堕とされた時に【風魔】の【忍】だった。【雷神】は【四代目小太郎・鬼童丸】だった。その補佐で【風神・小源太】が【副頭領】をした。これが【初代小源太】だ。以後【副頭領・小源太】は【襲名】される。


 ヴァール「シンは、ハマるとそればかりになる。一応【国連の裏組織】だから、【日本人】だらけにできないのでね………欧米の【諜報機関】の者もいるよ」


 一応、世界じゅうから厳選したようだが【日本人】比率が高いようだ。  



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 作中に名前が出たので、【国連の裏組織】の説明も兼ねてます。


【タロットカード】を【コードネーム】に使いたかっただけの趣味で作った設定なので、おまけ要素という理解でお願いします。


 トリプルフェイスに関しては、主人公で例えると洸は、職業【僧侶】、実家の稼業【風魔忍】と【甲賀忍】、裏のお仕事。遙は職業【元傭兵】の現在は秘匿、家の稼業は【風魔忍】と【甲賀忍】と【龍財閥後継者(瑪瑙)】の家庭教師、【影の組織】のアルバイト(待遇は店長扱い)。刹那は学生、フリーの【傭兵】(実家の【風魔忍】とほぼ専属契約)。こうなります。洸と遙は両親がそれぞれ【風魔】【甲賀】の【頭領一族】なので、両方書きました。本人は認めていないけれど、第三者はこういう見方をしているという第三者目線です。

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