近づきたいんです
今日も疲れたな。制服から部屋着に着替える事もせず、ベッドにダイブする私。
相変わらず進展は全くと言っていい程無かった。一緒にご飯食べれたぐらいだし
焦燥感が沸いてくるな。落ち込む心に一筋の光が差し込む。
「あ、彪月君にテスト前勉強教えて貰う約束したんだ。」
ベッドの上で飛び跳ねる。喜びが絶頂に達しているとお母さんにうるさいと
叱られる。苦笑しながら謝るとお母さんは夕飯の準備をしに、一階へと降りる。
私は制服を脱いで部屋着に着替え始める。
「心陽は学校楽しかった?」
食事中に突然お母さんに尋ねられる。私は彪月君の事を考えて心ここにあらずと
言った感じで反応が遅れた。
「心陽~好きな男の子でもいるの?」
お母さんは鋭い。ニヤニヤしながら私に問い掛けるお母さん。こんなお母さんは
意地悪だ。お母さんは恋愛している事が親にバレる恥ずかしさは知らないの。
私はそそくさとご飯を食べて部屋に戻る。お母さんの目線が恥ずかしかったのが
一番の理由。お母さん酷い。
部屋に一人でいると様々なことが頭をよぎる。なんとなく私はスマホに手を
伸ばす。明日はどうしようと悩み、検索をかける。調べる言葉は
『可愛い髪形 ミディアム』私は画面をスワイプして自分でもできそうな
髪形を探す。見つけた。
「明日は早起きになるね。」
まだ晩の九時にすらなっていなかったが私はゆっくり目を閉じた。
早めに設定したアラームが私を起こす。外は薄らと明るい時間。私は昨日検索
した髪形をもう一度検索し、書かれた手順通りに髪を結う。上手く出来たら
良いけど、絡まったりしたら直すのに時間が掛かる。丁寧にしなきゃ。いつも
ポニーテールだから細かいアレンジには慣れてない。難しい。
「心陽、朝ごはんよ。」
扉の向こう側からお母さんが私を呼ぶ。私はお母さんに返事をしてすぐに一階
へと降りていく。元気よく食卓へと向かっていくと、私の姿を見た家族は驚い
ている。しかしお母さんは例外。私の凝った髪形を見て頷いている。やっぱり
分かってるんだよね。私はご飯を食べて身支度を整える。
「そっか、早起きしたからまだ時間があるんだ。」
家を出る時間までかなりある。制服に着替えているからまたベッドで寝転がる
事は出来ない。折角だし数学の勉強でもしようかな。今しておくことによって
今日の授業が分かりやすかったり、彪月君にも褒められるかもしれない。私は
家を出るギリギリの時間まで数学の教科書を開いてひたすら問題を解いた。
昨日習った連立方程式とやらの解き方を自分なりに頑張って理解して教科書の
問題を何問も解く。これだけすれば大丈夫だよね。彪月君に褒められるかも
だし、勉強はしっかりするべきかな。彪月君頭いいし、勉強できる女の子が
好きだと思う。恋って凄いな、他の事まで頑張ろうと思ってこれる。
この恋叶えてみませんか? ゆうり @nononoeimaaaa
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