臆病なんです
急いで外に行くと既に皆集まっていた。必死に走って合流する、息をせききらし
ながら走る姿を見られてしまう。
「茉莉ちゃんごめん、遅れちゃった。」
私を遊ぼうと誘ってくれ、彪月君や奏太を誘っておいてねと言ったのが友達の
茉莉『まり』ちゃん。小学校の時から仲良しの友達。私と奏太が合流して、何をするか
皆で相談する。
「無難に鬼ごっこでもする?」
真っ先に案を出したのは美愛『みあ』ちゃん。美愛ちゃんも誘ってたんだ。何だか敵視
されてる様な気がしてて関係は良好ではない。美愛ちゃんと一緒で大丈夫かな。
「鬼ごっこでいいと思う。」
奏太が賛成したのを皮切りに皆鬼ごっこの案に賛成し、鬼ごっこをする事に。
鬼を決めるときにじゃんけんするんだけど負けたのは茉莉ちゃん。一番目の鬼は
茉莉ちゃんになり、皆散らばった。
私は足が遅いから人目のつかない場所で身を潜めていようかな。私は隠れると、
影から校庭を覗く。茉莉ちゃんは凄まじいスピードで男子を追いかけている。
やっぱ茉莉ちゃんは足が速いな。羨ましい、私も足が速ければ鬼ごっことかも
素直に楽しめるのに。
誰にも見つけられずに昼休みは呆気なく終わりを告げる。もしかして私、忘れ
られてるかな。勝手に教室戻ったとか思われてるかもしれないし、勘違いされて
る可能性って彪月君もだよね。何だか上手くいかないな。
「心陽、さっき鬼ごっこ居た?」
茉莉ちゃんにちゃんと謝っておかないと。迷惑かけてしまったかもしれないし。
「ごめんね。お腹が痛くなってきて。」
言い訳がましいけどこう答えるのが一番良いよね。
「そっか、何かあった訳じゃ無いんだね。良かった。」
逆に茉莉ちゃんは何があったと思ったんだろ。遊ぶメンバーに不安があったの
かな。私は美愛ちゃんが居た事に不安だったけど。
「美愛って彪月君好きなの。彼と仲良い心陽を敵視してるから気を付けて。」
本当に私、美愛ちゃんに敵視されてたんだ。人に敵視されてるのは辛いけど、
彪月君と仲良くしないのも嫌だ。
私は教室に戻って授業が始まり授業が終わるまで美愛ちゃんの事を考えてた。
美愛ちゃんも彪月君好きだったのに私ばっかり仲良くしてた。美愛ちゃんには
悪いことしてしまった。でも美愛ちゃんに遠慮して諦めようと思うほど私の
思いも小さくない。私は彪月君と仲良くなるんだ。敵視されて、美愛ちゃんに
睨まれても諦められないよ。私の彪月君を想う気持ちは本気だし、
美愛ちゃんにも負けないから。決意を固めて、私はもっと彪月君に近づくため
努力しようと心の中、大きな声で宣言した。
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