第36話  引きこもりと帰り道

 アトラクションを遊び尽くし気づけば閉園時間になっていた。


今から電車に乗って帰るのだと思うと気が重い

今の時間は7時ぐらい、帰る頃には8時ぐらいになっているだろう...


電車の中には俺たち以外の乗客は見当たらなかった

電車に乗ってすぐに唯華ゆいか桜花おうかは小さな寝息をたてて寝てしまった。


横に座っていた春香が楽しそうに俺に話しかけてきた。


「ねーねーたくちゃん!」


「ん?どうした?」


「今日は時間も遅いし今日も唯華ちゃんと桜花を泊めてあげたらどう?」


俺は考える仕草を見せた


「でも、明日は学校だろ?」


春香はえ?という表情をしていた


「明日は学校の記念日で休みだよ?」


「まじっすか...」


でも、こんな夜に女子を帰らせるわけにも...

俺も疲労で送っていける気がしないし二人も疲れているだろう。


俺は大きくため息をついた


「わかったよ...」


春香は何故かやったー!と喜んでいた


「そういえば、春香の家に泊めてやれば良くね?」


「多分二人は私の家よりたくちゃんの家が良いって言うと思うよ?」


この部屋に慣れたとか親が居ないからという理由だろうと深くは考えなかった。


「でも、二人が良いって言ったらだぞ...」


春香は笑顔で頷いていた


「うんうん!わかってる!」



電車は俺たちが降りる駅に着いて、唯華と桜花を起こして駅を出た。


そして、二人に泊まるか聞いてみたところ二つ返事で泊まることが決定した。


俺たちは帰宅してすぐに寝る準備を済ませて布団に入った。


相変わらず何故かジャンケンをしていた。

今回は春香が横にきた


やっぱ、恥ずかしいな...


春香と逆方向を向いて寝ると春香の小さな声が聞こえた


「ねぇ、たくちゃん?」


「ん?どうした?」


「今日は楽しかったね」


「すっごく疲れたけど、楽しかったな」


春香はおかしそうにふふっと笑った


「また、一緒に行こうね?」


「ああ、また誘ってくれ」


そして、俺はそのまま寝てしまった


翌朝…唯華と桜花は朝早くから、帰ることになった


唯華は前にカバンを持ちながらこちらにぺこりとお辞儀をした。


「ありがとね!琢磨!」


「ああ」


唯華の顔は赤くなりっていた


「また...泊まりに来ても良いかな?」


俺は少し考えた後、恥ずかしさもあったが結構楽しかったので了承した。

唯華はすごく嬉しそうな顔になっていた


朝から元気な桜花も私も私も!と言っていたので、唯華同様の返事を返した


二人が帰った後俺は春香と二人で朝食を食べていた


春香は笑いながら話していた。


「私、昨日はっちゃけすぎたかも、昨日の疲れがまだ残ってる...」


「ああ、俺もまだ結構疲れてる」


俺と春香は朝食を食べ終わり、片付けを済ませてから春香も自分の家に帰った。


「……やっとひとりだー!!」と俺はソファーに倒れ込んだ。


今日はゴロゴロするぞ...




















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