第32話  引きこもりと遊園地

 俺たちは今、遊園地に向かっていた

春香と桜花は俺と唯華の前を歩いて話していた

俺と唯華は春香と桜花の後ろを歩きながら話している


「なぁ、唯華?」と俺は唯華の方に顔を向けて唯華に声をかけた


唯華は笑顔でこちらを向いた


「ん...琢磨どうしたの?」


「遊園地って、絶叫系のアトラクションってあったっけ?」


唯華は人差し指を顎に置き考える仕草を見せた


「いっぱいあったと思うよ!」


俺は高所恐怖症で絶叫系が苦手だった...

昔...一度春香と別の遊園地に行った事があるのだが春香は絶叫系が大好きで乗らされまくり俺は絶叫系が苦手になった...


俺はガクッと肩を落とした


「まじか...どうしよ...」


「琢磨ってもしかして...絶叫系苦手?」


俺はバレるわけにはいかない!と思い誤魔化すため唯華から目を逸らした


「べ...別に、そんな事はないぞ…」


我ながら嘘をつくのがうますぎる...


「琢磨...本当にそれで騙せると思ってるの?」


「え?ばれてるの?」


唯華は勢い良く言い放った。

「逆になんでそれでバレないと思ったの!!」


そして、俺たちはくすくすと笑い合っていた



歩きながら話していると遊園地の入り口へ着いた


前にいた春香と桜花はテンションが上がっているようだった


「「やっと着いたね!」」


二人の声が重なっていた

二人とも息ぴったりだな...


全員が遊園地のチケットを購入して、遊園地へ入場した。


中に入ると、人の楽しそうな話し声、陽気な音楽、

洋風な建物など、まるで別世界...


最近来てなかったけど、この雰囲気...懐かしいな...


雰囲気に浸っていると、突然前から猫のような見た目をしたマスコットキャラクターがこちらへ向かってきていた。


どうやら、一緒に写真を撮ってくれるサービスらしい


そして、春香・唯華・桜花も一緒に写って写真を撮った


少し歩いているとお土産などが売っている場所を抜けてアトラクションなどが沢山あるところへ着いた


横にいた唯華はキョロキョロと辺りを見渡していた


アトラクション好きな春香は目を輝かせていた


桜花も春香と同じぐらい目を輝かせていた


俺は過去の事を思い出し、もうすでに帰りたい...


春香が俺と唯華にパンフレットを向けてアトラクションを指差していた


「ねぇねぇ!たくちゃん、唯華ちゃん!この エクスプロージョンって奴乗ろうよ!」


春香の指差しているアトラクションはまごうことなき絶叫系だった...

エクスプロージョンって、爆発だよ?名前からしてもう無理だよ...考えた奴頭おかしいだろ...と心の中で思いつつそのアトラクションの詳細について見た


「発射直後からスピードが180km!!爆発音と共にコースターが走り出します...だと...」


だから、エクスプロージョン...か...

これは...さすがに!まじで無理!どうにかして断らねば...


俺は無理に笑顔を作り後ろの髪を掻いた

「いやぁー俺、今はご飯食べたばっかだからやめておこうかなー?」


すると、春香がチラッとこちらを向いた


「え?たくちゃん...乗らないの?」


何故か少し残念そうな顔をしているように見えた...

でも恐らく勘違いだな!


「ねぇ...たくちゃん...一緒に乗ろ?」


春香は上目遣いを使いこちらを見つめていた


やめろ!そんな目で俺を見るな...やばい...断りづらい...そういえば昔もこの感じで押し切られたんだった...


すると、横からポンポンと肩を叩かれた

横を見ると桜花が立っていた。


「大丈夫だよ!琢磨くん!絶対面白いから!」と俺を励ましているようだ...


仕方ない...ここまで来たら...腹をくくって乗るしかないか...

そして俺はジェットコースターに乗るのを了承した









































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